今日!有馬記念「どの馬が勝ってもおかしくない」大混戦の“戦国有馬”で何が勝敗を分けるのか…浮かび上がった注目の4頭とは?
中央競馬の2023年の総決算レース「第68回有馬記念」(3歳上、GI、芝2500m、1着賞金5億円)が24日、千葉の中山競馬場で行われる。最強馬のイクイノックスが引退して、さらに有力馬が”死の外枠”を引くなど、どの馬が勝っても不思議ではない状況となっている。勝敗を分けるポイントは何か。そこで浮かび上がった注目の4頭とは?
史上まれに見る“戦国有馬”
超難解だ。クリスマスイブ決戦となる有馬記念は、ファン投票1、2位のイクイノックス、リバティアイランドが不在となった。「天皇賞・秋組」「ジャパンC組」「菊花賞組」など、2頭以外の有力馬がすべて揃ったが、過去10年で一度も連に絡んでいない“死の8枠”の16番にクリストフ・ルメールが騎乗する牝馬二冠馬のスターズオンアース(牝4、高柳瑞樹)が入り、ますます混迷を深めている。逆に言えば、どの馬にもチャンスがある。
“戦国”有馬の勝敗を分けるポイントはどこになるのか。実績、状態、コース適性、データ面などを総合的に判断すると上位に入る資格を持った馬は限られてくる。
ひとつの格言がある。
「有馬記念は3歳を買え」だ。昨年のイクイノックス、一昨年のエフフォーリアと、目下3歳馬が2連勝中。過去10年を見ても3歳馬が4勝をマークしている。グレード制が導入された1984年以降では、16勝を挙げ、他の世代を凌駕している。あと数週間で4歳になるのに斤量が2キロ減。この恩恵がやはり大きいのだろう。
今年の3歳馬は、皐月賞馬の1枠1番に入った川田将雅騎乗のソールオリエンス(手塚貴久)と、6枠11番の岩田望来騎乗のハーパー(友道康夫)、そして日本ダービー馬であるライアン・ムーア騎乗のタスティエーラ(堀宣行)の3頭だ。特にソールオリエンスとタスティエーラはともに菊花賞でも3、2着と好走しており、減点材料がない。しかも好枠を引いた。2頭の比較は器用さでタスティエーラ、爆発力でソールオリエンスの見立て。ハイペースと読めば、皐月賞馬がやや優勢か。
次にフィルターにかけたいのは、ここまでの各馬の実績。今年に限ればトップは前売りオッズで単勝1番人気の4.0倍に支持されている5枠10番に入ったジャスティンパレス(牡4、杉山晴紀)となる。
天皇賞・春を制し、宝塚記念3着、天皇賞・秋2着と古馬の王道路線で全く崩れていない。無冠だった昨年の有馬記念は7番人気7着とはね返されたが、4歳を迎えた今年は明らかにパワーアップしている。何より、この馬にひかれるのは杉山晴紀調教師の強気なコメントだ。
「想像以上に力をつけている。継続騎乗になるのは強みだし、自信を持って臨む」
ここまで53勝を挙げ、大きく飛躍したリーディングトレーナーはけれん味がなかった。ジャパンCをパスしてエネルギーは満タン。一連の安定感からもジャスティンパレスが軸馬として1番人気に支持されるのも当然だろう。
ここまでの“流れ”の良し悪しも勝敗を分けるポイントになる。
その意味で、ここに来て歯車がかみ合ってきたのが、3枠5番に入った昨年の日本ダービー馬のドウデュース(牡4、友道 康夫)。極悪馬場で大敗した凱旋門賞後、今季初戦の京都記念を圧勝したが、ドバイ遠征は脚部不安で出走取り消し。秋2戦は主戦の武豊が負傷で騎乗できなかった影響もあり、天皇賞・秋7着、ジャパンC4着とダービーで負かしたイクイノックスに完敗していた。
しかし、陣営の思惑通りに「叩き3走目」で状態は最高潮に。しかも、鞍上の武豊からは「最近は追い切りで直線、左手前にすぐ変わる。これはいい傾向」と興味深い話が出た。これは右回りの中山コースでは強調できる材料。劇的な復活を期待したくなるのも当然だろう。