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井上尚弥はタパレスに自ら握手を求めてニヤッと笑った(写真・山口裕朗)
井上尚弥はタパレスに自ら握手を求めてニヤッと笑った(写真・山口裕朗)

「歴史的な試合になるがまだまだ通過点」明日の4団体統一戦を前に井上尚弥に“金満大国”サウジアラビアから開催オファー…実現すれば数十億円マッチの可能性も

 プロボクシングのスーパーバンタム級の世界4団体統一戦(26日・有明アリーナ)の記者会見が24日、横浜市内のホテルで行われ、WBC&WBO同級王者の井上尚弥(30、大橋)とWBA&IBF同級王者のマーロン・タパレス(31、フィリピン)が、それぞれ決意を語った。井上と契約するプロモーター会社、トップランクのCEOであるボブ・アラム氏(92)も出席。オイルマネーを背景にしたビッグマッチの開催で、世界的な注目を浴びているサウジアラビアから井上に開催オファーがあることを明かした。来年5月には東京ドームでWBCの指名挑戦者でもある“悪童”ルイス・ネリ(29、メキシコ)との試合も計画されているが、さらなる飛躍のためにも絶対に負けられない4団体統一戦となる。

 「自信2000%?それくらいの意気込みで来てもらった方が面白い」

 

 4団体統一戦用に作った白いキャップと白いTシャツ姿で会見に現れた井上は、とても落ち着いていた。
 公開練習でタパレスが言い放った「勝つ自信は2000%」の発言をどう思うか?と質問したが「記事で見ました。それくらいの自信がなければ面白い試合にはならない。それくらいの意気込みで来てもらった方が面白い試合になると思う」と余裕で受け流した。
 父で専属トレーナーの真吾氏が「スパー相手が心を折らずに勇敢にきてくれたおかげで最後まで緊張感を持って最高に仕上げられた」と話したように、4人のメキシコ人パートナーと、過去最長の116ラウンドのスパーをこなしてきた自信が、そう言わしめるのだろう。
 ただ代表質問では、控えめに発言していた。
「どんな展開になっても、しっかりと勝ちを手にする試合にしたい。その中でチャンスがきたら逃さない」」
 10月のタパレス戦の発表会見では「KO決着をお見せしたい」と、スーパーバンタム級への転級初戦だったスティーブ・フルトン戦前に封印していたKO宣言を解禁していた。
 少しトーンダウンに思えたが、「いや変わっていない。(あの時会見で)KO宣言をして、今もそのつもりでいるし、判定でもいい気持ちでもいるし、タパレスは勇敢なファイターなので面白い試合になる」と説明した。
 史上2人目の2階級4団体統一がかかる。
 この試合の意義を井上はこう捉えている。
「この試合は、歴史的な2階級4団体統一という史上2人目の偉業となる。だが、キャリアを考えれば、まだまだ通過点。引退するときに辿ってきたキャリアを振り返ってどう思えるか。そこに尽きると思う」
 一方寒さ対策でダウンを羽織っていたタパレスも「いい試合をしたいと同時に勝ちたいと思っている。勝てばフィリピンにとって歴史的な勝利となる。ディフェンス面でもトレーニングを積んできた」と負けてはいなかった。
 会見には、世界のボクシングの動向を握っていると言っても過言ではないトップランク社の最高責任者であるアラム氏が出席。
 井上を「60年プロモートをしてきて、モハメッド・アリ、シュガーレイ・レナード、マービン・ハグラー、マニー・パッキャオらと仕事をしてきたが、井上は間違いなく、その歴史的スーパースターに劣らぬスーパースター。日本にボクシングの素晴らしさを伝えている」と絶賛した。
 そして、会見後の囲み取材でサウジアラビアから井上の世界戦開催のオファーが届いているというビッグニュースを明かした。

 

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