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4団体統一戦を前に井上尚弥の肉体は完璧に仕上がった(写真・山口裕朗)
4団体統一戦を前に井上尚弥の肉体は完璧に仕上がった(写真・山口裕朗)

今日ゴング!井上尚弥とタパレスの4団体統一戦で本当に「4%」の“番狂わせ”は起きないのか…モンスターの衝撃1ラウンドKOが予想される2つの根拠とは?

 現在6試合連続KO勝利中の井上は何ラウンドにタパレスを倒すのか。そして本当に“番狂わせ”は起きないのか。理論的な試合分析に定評のある元WBA世界スーパーフライ級王者の飯田覚士氏は、「井上の3ラウンドまでのKO勝利で決まる。うまくいけば、5年前のファン・カルロス・パヤノ戦みたいに1ラウンドで終わるかも」と予想した。
「早期KO決着を予想する理由は、井上の2階級4団体統一にかける高いモチベーションとタパレスのファイトスタイルにある。タパレスは、好戦的でそのパンチ力に目がいきがちだが、後ろ重心でスウェーやダッキングなどの柔軟なボディワークとガードを使ったディフェンスもいいボクサー。だが、ここ数試合は足を使っていない。右ジャブで様子を見ながらカウンターを狙ってくるのかもしれないが、動かないのなら井上がすぐにあらゆる情報を収集してしまう。タパレスのノーモーションの左やオーバーフックも単発なら浴びることはない。簡単にパンチを見切って距離を合わせ対応するだろう。ディフェンスの動きを見定めてからステップインの幅を数センチ変えてパンチを放ち、的確にとらえる。スピードが違う。タパレスは井上の攻撃を防ぎきれないと思う。サウスポーのタパレスに対しての左フック、左ボディといった“前の手”のパンチがフィニッシュブローになると予想する」
 タパレスのプロモーターであるMPプロモーションのショーン・ギボンズ氏は、「フルトンのような試合にはならない。彼は怖気づいていた。やはり井上と日本で戦うとなると、フィジカルよりメンタルがカギ。ダスマリナス、バトラー、フルトンとみんな心理的な弱さが出ていた」とタパレスがひるまず前に出てボクシングをすることを示唆していた。
 タパレス自身も「勝つ自信は2000%」と豪語している。
 井上は、その姿勢を「それくらいの意気込みで来てくれなければ面白くない。タパレスは勇敢なファイターなので面白い試合になる」と歓迎していた。
フルトン戦では、ずる賢いテクニシャンをいかに前に出てこさせるかを考えていくつかの罠を張った。だが、タパレスには、その必要がない。
 大橋会長は、タパレスのパンチ力や回転力を警戒しているが、一方で「噛み合うので早い決着もあるかも」とも予想していた。
 飯田氏が予想する1ラウンドKO決着の条件が揃っているのである。
 ちなみに井上の25戦のキャリアで1ラウンドKO勝利は3度ある。直近は、2018年10月のWBA世界バンタム級の防衛戦で、WBSSの11回戦だったパヤノ戦。それが3ラウンド以内となると、グンと増えて10試合。直近は、昨年6月のノニト・ドネア(フィリピン)との再戦で2ラウンドに倒した。
 では、タパレスが4%の“奇跡”を起こす可能性は本当にないのか。
 飯田氏は「サプライズを起こすには1ラウンドの奇襲しかない」という。
「井上に情報を与える前にいちかばちかの勝負を仕掛けるかどうかだが、そのパターンも3つくらいしかないだろう。奇襲をするにも工夫がいる。フェイント、軌道が違うパンチを使う。あるいは、あえて届かないふりをしたジャプを餌に左から突っ込む、下のパンチを見せておいて右のフックを振り回すなどのパターンだ。足を使って井上に追わせて、そこにカウンターを合わせるパターンもあるだろう。ただ、それが成功する確率としては4%もないのでは」

 

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