「エストラーダは大晦日の井岡一翔との統一戦を熱望していた」トレーナー&マネージャが明かすビッグマッチ消滅の理由…バンタム級転向示唆で実現の見通しは不透明に
大晦日で防衛戦を行うWBA世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(34、大橋)が対戦を熱望しているWBA世界同級王者のファン・フランシスコ・エストラーダ(33、メキシコ)がバンタム級転向を視野に入れていることが28日、明らかになった。井岡に挑戦する同級6位のホスベル・ぺレス(28、ベネズエラ)のメイントレーナーとして来日しているエストラーダのトレーナー兼マネージャーでもあるホセ・アルフレッド・カバジェロ氏が明かしたもの。井岡は「バンタム級まで追いかけることはしない」と語っており、V1戦に成功しても井岡×エストラーダのビッグマッチの先行きは不透明だ。
「ビジネス上の理由」「ファイトマネーの問題ではない」
ギリギリまで交渉されていた井岡とエストラーダの統一戦が消滅した理由をトレーナー兼マネージャーであるパジェロ氏が明かした。
「エストラーダは本当に井岡との試合を望んでいた。今回、試合が成立しなかったのはビジネス上の理由だ」
それ以上詳しくは語らなかったが、ユーチューブでは「ファイトマネーの問題ではない」とも語っており、何やらエストラーダの意思だけでは、物事が決まらない複雑な内部事情があるようだ。
エストラーダは、昨年の12月に行われたローマン・ゴンサレス(ニカラグア)とのラバーマッチ以来、リングから遠ざかっている。気になる“今後”については、バンタム級への転級説や、IBF&WBO世界フライ級の統一王者となったジェシー・ロドリゲス(米国)との対戦計画などが漏れ伝わっている。パジェロ氏は、来年2月にバンタム級でのノンタイトル戦が予定されていることを明かし、バンタム級転級の可能性を示唆した。
「エストラーダにはいろんなオファーがある。2024年、2025年にはバンタム級への転向ということがあるかもしれない」
もし来年2月のノンタイトル戦が、バンタム級転向への布石であれば、井岡は目標を失うことになる。なぜなら、先日の公開練習で「彼を追ってバンタム級に上げることはない」と断言していたのだ。
「そこまでの執着はない。この階級でのプロセスがある相手。(エストラーダは)ひとつの目標であって(対戦できなくてボクサー人生が)終わるわけじゃない。戦い続ける。戦う意味はそこだけじゃない。色んな人のために戦っているし、未来の日本のためにも戦っている、今はスーパーフライ級で戦うことしか考えていない」
今後もスーパーフライ級に留まる考えを明かしていた。
志成ジムサイドは、エストラーダとの交渉が継続中であることを明らかにしている。井岡の悲願を実現することはあきらめていない。
「ビジネス上の理由」で、消滅した井岡×エストラーダ戦が、スーパーフライ級で実現する可能性はあるのか、ないのか。
パジェロ氏に「ペレスに井岡からベルトを奪わせるために、ここに来ているあなたにこの質問は失礼だと承知しているが…」と断った上で聞くと、こんな答えが返ってきた。
「ペレスを勝たせるために日本に来た。その質問は、もし万が一井岡が勝った場合に改めてしてくれ」
井岡が防衛に成功してベルトを守った場合にパジェロ氏はどんな見解を明かすのか。先行きが不透明となっているエストラーダ戦の行方にも注目が集まる。