平本蓮「病院送りにする」YA-MAN「口では強気だが試合は弱気でつまんねえ」…「RIZIN.45」注目カードが早くも過激な前哨戦
キックボクシングに未来はないと見切りをつけた平本が、RIZINと契約したのが2019年11月。翌年大晦日の「RIZIN.26」の萩原京平(28、SMOKER GYM)戦で総合格闘技(MMA)デビューを果たすも、2R途中で陣営からタオルを投入されるTKO負けを喫した。
今回がMMAでの5戦目。元フェザー級王者・斎藤裕(36、パラエストラ小岩)に判定負けを喫した、4月の「RIZIN LANDMARK5」以来の復帰戦となる。MMAでは通算2勝3敗と黒星がひとつ先行しているが、それでも5月の三浦孝太(21、BRAVE)戦でMMAデビューを勝利で飾り、今回が2戦目のYA-MANよりは経験を積んでいる。
「俺が3年前にボコボコにされたように、MMAでの経験値が高い分だけ選択肢が増える。ただ、だからと言って俺が勝つ、という試合でもない。自分がやってきた時間に驕らず、何か自分の地位を守るような戦いでもない。今回はとにかく普通にぶっ飛ばす。狩りにいく試合だと思っている。もちろん自分が追う側になります」
敵意をむき出しにするYA-MANへ、平本は皮肉まじりの言葉も返している。
「俺にはまったくそういう感じはない。というか、子どもたちのためにとか、これまで散々言ってきたアイツが、怒りを武器にして格闘技をやっているんじゃねえよという話ですよね。子どもたちを思うのであれば、スポーツマンシップにのっとって素晴らしい戦いをしましょう、となりますよね。アイツは何を言っているのか本当に意味不明だし、俺との試合が終わったら病院へしばらく入院した方がいいと思います。俺がアイツを入院させますよ」
5分間×3Rで行われる一戦へ両者は激しい打ち合いを望み、判定決着はないと覚悟も決めている。死闘と化すであろう15分間を終えた後に、2人はどのような関係になっているのか。ラグビーで言うノーサイドの精神が、2人にも芽生えるのだろうか。
「100%ないです。アイツのことは一生嫌いなので、完膚なきまでにぶっ倒したい。MMA選手のトッププロと比べれば、確かに自分のMMA歴は短い。ただ、それをカバーするだけの打撃のスキルが自分にはある。なので、そんなに心配はしていない」
YA-MANが生涯絶縁を宣言すれば、平本も相容れない存在だと強調した。
「アイツとは絶対に仲よくならない。というか、俺、仲直りしようなんて一度も言ってねえし、バーカ、一生気合いでやっていろという感じですね」
平本をして、今大会で最も注目を集めているのは「俺でしょ」と公言させる因縁マッチ。全17試合中、第14試合目に設定された、タイトルマッチではなんでもない、この異色マッチが、RIZIN大晦日大会で、ある意味、最も注目を集めるカードなのかもしれない。
(文責・藤江直人/スポーツライター)