井上尚弥“前座”世界戦で場外戦勃発?!「なんですかあれ。悪口ですか?」5.6東京Dで世界初挑戦の元K-1王者の武居陣営と王者のマロニー陣営が火花…記者まで呼び止められる
マロニーは、ここまで29戦のキャリアのなかで、米国、メキシコ、タンザニア、フィリピン、タイ、ニカラグアなど、多種多様な国籍のボクサーと対戦し、元WBA世界スーパーフライ級王者の河野公平(ワタナベ)のラストファイトの相手も務めているし、WBO世界バンタム級王座決定戦では、井上尚弥と戦ったマーロン・タパレス(フィリピン)のパートナーを務め、WBC世界同級王者の中谷潤人(M.T)が次戦に予定している指名試合の相手であるビンセント・アストロラビオ(フィリピン)を判定で蹴散らすなどしていた。驚くほど長身のボクサーもいたそうで、そういう対応力がマロニーには備わっているとも説明した。
そしてなにより2020年に米国で対戦して7回に倒されたモンスター井上尚弥との経験が大きい。マロニー自身も「とても価値のある試合で成長につながった」という。
さらにハイダートレーナーは、会見で目の前の席に座っていた八重樫トレーナーと目を合わせて「八重樫トレーナーの現役時代の映像も研究した」とまで明かした。
これはマロニーの弟のアンドリュー・マロニーが5月12日に地元の豪州で行われるWBC世界スーパーフライ級暫定王座決定戦で、現役時代の八重樫と対戦経験のあるペドロ・ゲバラ(メキシコ)と対戦するため、チェックしていた映像に、たまたま映っていたものだと考えられる。その10年前のWBC世界ライトフライ級王座決定戦で八重樫はゲバラのボディに沈みKO負けしている。 その発言を聞いた八重樫は「なんですかあれ?悪口ですか?むかついた」と不快感を示し「どうでもいいが」と一蹴した。
ハイダートレーナーが「警戒すべきは武居の方だ」と挑発したことに関しては、「その通り。我々はチャレンジャー、こちらが試合を作っていく方。相手の思考の上をいかないと勝てない。やれることは全部やってきた」と認めたが、3人の日本人ボクサーを呼んだ準備に関しては疑問を投げかけた。
「(日本人という同じ)人種を呼びたかったのでは。堤、池側と武居は似ているようで似ていない。武居のような日本人ボクサーは誰もいないですよ」
そして「数少ない穴はあるんで。欠点をついていく」と不敵に笑った。
大橋会長も、拳を交えた井上尚弥が「マロニーは凄く強かった」と語っていたことを再度繰り返し「相当な実力がある」と認めた上でマロニー陣営の発言に反発した。
「トリッキー、トリッキーと言っていたが、あいつの強さはトリッキーじゃない。基本的なパンチが強いんで。ちょっと油断しているというか、間違えているのかなと。そこは良かったと思った」
マロニー陣営の分析と準備が“的外れ“であることを指摘し「相性はいい。距離感も含めてね。面白い試合になる」と続けた。
マロニー陣営は、そそくさと、ジムを引き上げたが、最後に筆者はハイダートレーナーに呼び止められた。
「もう一つ言っておく。武居ってバンタムで試合したことがないよな?」
確かに武居のバンタム級での試合は初めてだが、昨年12月にバンタム級より約1キロ重い54.5キロ契約のテストマッチをクリアしている。八重樫トレーナーも「減量は心配されているが、大丈夫。うまくいっている」と太鼓判を押した。
そのことを伝えると不敵に笑って、その体重でパワーを生かせるのか?とばかりに、その場でぴょんぴょん飛びはねて見せた。裏を返せばマロニー陣営は必要以上に武居を意識しているのだ。
世界初挑戦の武居が何かをやってのける条件が整いつつある。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)