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井岡が7回KOで防衛に成功(写真・山口裕朗)
井岡が7回KOで防衛に成功(写真・山口裕朗)

「井上尚弥よりも先に引退するので最多勝記録は彼が抜く。こだわりはない」なぜ井岡一翔は大晦日にKO勝利を有言実行できたのか…語り尽くした究極技術論と2024年の戦い

 これで世界戦勝利が22勝となり、12月26日にマーロン・タパレス(フィリピン)を10回にKOで下して21勝で並んでいた最多勝利数で井上を再び追い抜いた。だが「(記録を)意識していないし、彼(井上)も意識していない」と明言した。
「僕ができること、井岡一翔の使命があるとするならば、それをまっとうしていくだけ。おそらく年齢的にも彼の方が長くやり、僕のほうが先に引退すると思う。彼が、その記録を抜くと思うし、こだわりはない。1戦、1戦戦い、22勝できたことは、自分中では誇れること。ただサポートしてくれる人たちがいて、リングに上がることができて結果を出せた。自分だけのものじゃない」
 井上への敬意を表した上でプライドをちらつかせた。
 井上と井岡は、追求しているボクシングが違う。井上には、モンスターの名に恥じない人々を引き付ける世界共通の「強さ」があり、井岡には人々を惚れ惚れさせるようなスキルを極める「芸術性」がある。ある意味、対極にある2人が、師走の日本列島をボクシングで盛り上げた。
「彼がああいうボクシングをするから僕がこういうボクシングをするとかもない。結果として盛り上げられているのであれば本望」
 井岡は、そう言って、爽やかに笑った。
 2024年の戦いのターゲットは、もちろんエストラーダだ。
「自分の気持ちとしての一番はエストラーダ戦を実現させたい」
 ペレスと1か月半前にタッグを組んだホセ・アルフレッド・カバジェロ氏はエストラーダのトレーナー兼マネージャー。今回も井岡陣営と交渉を持った。
「個人的にはエストラーダは井岡とやりたがっていて、両陣営とも対戦に興味はあるが、エストラーダにはいろんな話がある。こちらは、それをテーブルに乗せてファイトマネーの金額で選ぶ。エストラーダの希望するファイトマネーの額に合意がないと難しい。やるとすれば、来年の真ん中くらいだが」
 生々しい話をして揺さぶりをかけてきた。

 

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