史上初の代表元旦マッチでアピール成功の中村敬斗&佐野海舟&細谷真生の“若手3人衆”の何がどう楽しみなのか?
細谷は国内組だけのメンバー構成で臨んだ、2022年夏のEAFF E-1サッカー選手権に招集され、中国代表戦で先発も果たしている。第2次森保ジャパンでは昨年の11月シリーズで、怪我で辞退したFW古橋亨梧(28、セルティック)に代わって追加招集。シリア戦の後半37分に、出場3試合目で待望のA代表初ゴールを決めた。
タイ戦では相手の最終ラインの裏へ抜け出す動きと、周囲の味方を生かすポストプレーを状況に応じて使い分けた。中村がゴールした直後の後半29分には、左CKにニアで頭をヒット。コースを変えたボールはタイ選手に当たってゴールに吸い込まれた。
「すらせて味方の誰かがボールに触ればいいかな、と思っていましたけど、結果として日本のゴールにつながってよかったです」
タイのオウンゴールになった日本の3点目をこう振り返った細谷は、代表4戦目で初めての先発フル出場に「そこに対しては嬉しさがありますね。同じポジションの選手に怪我もあったなかで、責任感を持ってプレーしました」と満足感を漂わせた。
タイ戦後には12日から中東カタールで開催される、アジアカップに臨む日本代表メンバー26人が発表され、中村、佐野、そして細谷が招集された。
メンバーにはキャプテンの遠藤を筆頭に、MF久保建英(22、レアル・ソシエダ)や戦列に復帰したばかりのDF冨安健洋(25、アーセナル)らの主力が順当に名を連ねた。さらに怪我で戦線離脱中のMF三笘薫(26、ブライトン)も大会期間中にはプレーが可能な状態になる、という見通しのもとで招集されている。
一方で鎌田や古橋、そしてタイ戦の後半開始早々に先制ゴールを決めたMF田中碧(25、フォルトゥナ・デュッセルドルフ)の常連組が選外になった。国立競技場内で会見に臨んだ森保監督は、外れた選手個々への言及を避けた。ただ、今冬の移籍期間での移籍が海外メディアで報じられていて、そうした事情が考慮された可能性もある。
それでも回復途上の三笘と同じ左ウイングの中村、田中を欠いたボランチ陣に佐野、古橋が選外になったフォワードに細谷がスタンバイする。第2次森保ジャパンの現在地を、指揮官は「選手層は確実に厚くなっている」と表現する。若手トリオを中心に、カタールW杯から実に12人が入れ替わった顔ぶれは、森保監督の自信を裏づける証となる。
(文責・藤江直人/スポーツライター)