高校サッカー「覚えておいて欲しい5人の逸材」
【中村圭佑】[静岡・静岡学園3年/GK/187cm・80kg]
新しい年の訪れとともに吉報が届いた。
カタールで12日に開幕するアジアカップで、森保ジャパンに帯同する5人のトレーニングパートナーの一人に中村圭佑が名を連ねた。元日に国立競技場で森保一監督(55)とともに会見に臨んだ、日本サッカー協会の山本昌邦ナショナルチームダイレクター(65)は、いずれもU-19代表の中心を担う5人の俊英たちに大きな期待を寄せた。
「日本の未来を考えたものです」
FC東京U-15むさしでGKに転向した。CBでプレーする予定だったが、高身長を見込んだチーム側から転向を勧められた。フィールドプレイヤーでさまざまなポジションでプレーした小学生年代の経験が、恵まれたサイズをフルに駆使したセービングに足下の高い技術を融合させたプレースタイルを生み出した。
キャプテンを務めた今大会は、大晦日の2回戦でPK戦の末に広島国際学院(広島)に敗れた。相手の3番手のキックを止めながら、あと一歩届かなかった結果に「もっと(PKを)止める実力が自分になかった」と唇をかみしめた。
年を越せなかった悔しさを前へ進む力へ変えて、カタールから帰国した後は、16年ぶりにJ1復帰を果たした東京ヴェルディで新たな戦いに挑む。
【名和田我空】[鹿児島・神村学園2年/FW/168cm・60kg]
1年生ながら背番号「10」を託され、神村学園のベスト4進出に貢献してから1年。スーパーサブから大会ナンバーワンアタッカーへと成長した名和田我空(なわた・がく)が、初戦から2試合連続ゴールを決めている。
大晦日の松本国際(長野)との2回戦で開始8分に先制弾を右足で、2日の神戸弘陵学園(兵庫)との3回戦では後半31分に決勝弾を左足でゲット。期待通りの結果を残しても「状態はそれほど上がっていない」と本調子ではないと口にする。
強豪スペインに1-2で惜敗した、先のFIFA・U-17W杯の決勝トーナメント1回戦。前半40分に一時は同点に追いつく一撃を、ペナルティーエリアの外からゴール右隅へ、相手GKが一歩も動けない完璧な弾道で突き刺して脚光を浴びた。
さらに同W杯のアジア予選となった、昨年6月のAFC・U-17アジアカップでは5ゴールで大会得点王とMVPをダブル受賞。イギリスの大手紙『Guardian』から「2006年に生まれた最高のサッカー選手」の一人に堂々と選出された。代表での群を抜く実績が、今大会で対戦校が講じる徹底マークにつながっている。
今日4日の準々決勝(浦和駒場スタジアム)では近江と対戦する。FW登録ながら左サイドハーフを主戦場として、ドリブルを含めた個人技や味方とのコンビネーションも駆使するアタッカーは、Jクラブだけでなく海外クラブからも熱い視線が送られている。
(文責・藤江直人/スポーツライター)