「最低最悪のゴミクズだ!」前代未聞の二重契約でサントス監督に就任したカリーレにJ2長崎が違約金の支払いを求める“怒り”の声明…サポーターも激怒
日本サッカー界における二重契約問題で記憶に新しいのが、コロンビア出身のFWファビアン・ゴンザレス(31、現ヴァンフォーレ甲府)の一件となる。
ゴンザレスは2021年1月に母国のアトレティコ・ナシオナルからジュビロ磐田へ移籍したはずだったが、磐田と契約する前にタイのクラブともサインを交わしていた二重契約が発覚。翌2022年4月にタイの当該クラブが国際サッカー連盟(FIFA)の紛争解決室(DRC)に、ゴンザレスおよび磐田を相手取って申し立てを行った。
DRCは2022年9月にゴンザレスと磐田がFIFA規則に違反していると判断。磐田には昨シーズンの新規選手登録を禁止するスポーツ制裁が科された。しかし、磐田側はタイのクラブとの契約締結を知らず、ゆえにゴンザレスを引き抜いた事実も存在しないとしてスポーツ仲裁裁判所(CAS)へ上訴したが、2022年の年末に棄却されている。
ゴンザレスの例を振り返ってもわかるように、DRCへの申し立てが決着を見るまでには時間がかかる。一方で2月の最終週には2024シーズンが開幕する。チームの始動も迫っている状況下で、長崎は過去に柏レイソルや横浜FCを率いた経験を持ち、昨シーズンは大分トリニータの監督を務めた下平氏のヘッドコーチ就任を同時に発表した。
前出の声明は最後に、下平ヘッドコーチに関してこう言及している。
「年が明け今シーズンに向けて選手・スタッフが迷いなく今季に向けて動き出さないといけない中で、この曖昧な状況を解消すべきだと考えており(中略)カリーレ監督の去就がはっきりするまでは暫定で指揮を執っていただくことになります」
監督ではなくヘッドコーチとして下平氏を招へいしたのも、監督が同時に2人も存在する状況を回避するためであり、カリーレ監督を巡る問題が解決すれば、下平氏をそのまま新監督として迎える形を見すえているからに他ならない。指揮官が不在となる状況を生み出さない、いわゆるリスクマネジメントも徹底した長崎は17日に開幕へ向けて始動する。
(文責・藤江直人/スポーツライター)