• HOME
  • 記事
  • 格闘技
  • ボクシング“不毛の地”岡山から世界王者は誕生するのか…1.23大阪でユーリ阿久井と苦節37年の守安会長が挑む世界ベルト
WBAフライ級王座に挑戦するユーリ阿久井(写真・山口裕朗)
WBAフライ級王座に挑戦するユーリ阿久井(写真・山口裕朗)

ボクシング“不毛の地”岡山から世界王者は誕生するのか…1.23大阪でユーリ阿久井と苦節37年の守安会長が挑む世界ベルト

 昨年の12月17日から妻と2人の娘と共に東京に来て合宿を張っている。岡山ではスパーリングの相手にも困るため、2017年8月に日本ユースフライ級の王座決定戦で元2階級制覇王者の中谷潤人(M.T)に6回TKOで敗れて以来、続けている出稽古である。
 今回は同じ興行でメインを張るWBA&WBC世界ライトフライ級統一王者の寺地拳四朗(BMB)、WBO世界同級1位の岩田翔吉(帝拳)、日本フライ級王者の飯村樹輝弥、元WBOアジアパシフィック同級王者山内涼太(ともに角海老宝石)らと計100ラウンドに迫るスパーを積み重ねた。この日の2ラウンドの公開スパーでは、1ラウンドは様子を見たが、2ラウンド目には左フックのカウンターに宝刀の右ストレートをヒットさせてジム内をざわつかせた。一度延期になった10月にもスパー相手を務めていたWBOアジアパシフィック・スーパーフライ級4位梶颯(帝拳)は「びっくりするくらいに反応が速くなっていて下手にジャブが出せなかった」と、その成長度に目を見張った。
「良かったところや悪かったところを修正したり、改良したりしてよりいいスパーができた。調子に波はあったが、先週だか、先々週の終わりに突然、良くなりいい状態になった」
 世界のベルトを腰巻かねばならない理由がある。
「応援してくれる人。そして家族のために勝ちたい。娘の顔が頭に思い浮かぶ」
 ユーリはディズニーのTシャツを着ていた。
 3歳と10か月の2人の娘は、保育園を休んでまで東京合宿に同行してくれている。年末にディズニーランドに出かけた。東京の慣れない生活環境に戸惑い、なかなか外に出る機会のない娘たちは喜んで遊んでいたという。妻は食事やチケットの手配などマネージャー役までこなしてくれている。愛する家族への感謝の思いを力に変える。
 そして、かつて対戦した中谷、元WBC世界ライトフライ級王者、矢吹正道(緑)への「彼らを追ってここまできただけ。追いつきたいし、それ以上のところにいってやろうという気持ちがある」とのライバル心も隠さない。
「何が何でも勝つ。それしかない」
 映画「ゴジラ」をモチーフにした特注シューズをはいたボクサーは、様々な思いと覚悟をその拳に乗せてウクライナ人との世界戦に挑む。

関連記事一覧