「1階級上の最強王者と戦いたい」1.23大阪の防衛戦を前に2団体統一王者の拳四朗が2024年の壮大プランを語る…120万円の体脂肪測定器で減量もOK
プロボクシングのWBC&WBA世界ライトフライ級王者の寺地拳四朗(32,BMB)が13日、都内の三迫ジムで公開スパーを行った。1月23日にエディオンアリーナ大阪で元WBA世界同級王者で指名挑戦者カルロス・カニサレス(30、ベネズエラ)と防衛戦を行う拳四朗は、120万円の精密な体脂肪測定器を購入して減量対策を整えた。そして2024年の目標として“フライ級最強”の呼び声が高いWBO&IBF世界フライ級統一王者ジェシー・ロドリゲス(23、米国)との対戦を熱望した。ライトフライ級の4団体統一をあきらめたわけではないが、拳四朗が求めるのは最強王者だ。なお試合は拳四朗の試合をメインイベントとしてアマゾンプライムビデオで独占生配信される。
「8、9ラウンドに倒す」
3ラウンドの公開スパーリングの最後に突然、拳四朗のスイッチが入った。相手を務めた2023年の東日本スーパーフライ級の新人王である19歳の佐藤祐が、猛攻撃を受けて防戦一方になった。
「やばかったす」
特に右のボディストレートが見えなかったという。
「上にくるモーションで、ストンと下に落ちてくる。たぶん5割くらいの力でやってもらったと思いますが、あれを何発も打たれたら、どこかで心が折れちゃうと思います」
元々右のボディは拳四朗の得意なパンチ。
「アレが当たると流れがくるイメージ」
対戦相手のカニサレスは、元WBA世界同級王者で26勝(19KO)1敗1分けのキャリアを誇るボクサーファイターでボディも得意だ。
「どっちが効かせるか」
不敵に笑う。
ここまで150ラウンドを超えるスパーを積み重ねてきた。試合を想定した12ラウンドスパーも年明けだけでも2回やった。同じ興行でWBA世界フライ級王者に挑戦するユーリ阿久井政悟(倉敷守安)や元日本フライ級ユース王者で昨年12月に日本同級最強挑戦者決定戦に勝った井上夕雅(真正)、アマチュアの世界選手権で優勝、パリ五輪予選へ進む代表選考会でも勝った坪井智也(自衛隊)らと拳を交えて、タッグを組む加藤健太トレーナーも「より安定感を出せるボクシングを作り上げてきた」と万全の準備を強調した。
カニサレスは過去に田口良一、小西怜弥、木村翔と3人の日本人ボクサーと対戦しているが、田口とドロー、小西、木村には判定勝利を収めている“日本人キラー”。唯一の黒星は6回TKO負けで王座から陥落した2021年5月のエステバン・ベルムデス(メキシコ)戦。ただ標高が1500mを超える敵地のメキシコシティで行われた試合で別人のように動きが鈍く参考にはならない。ちなみにそのベルムデスとの統一戦に勝ったのが、京口紘人(ワタナベ)で、その京口を拳四朗が倒している。
「しっかり勝ってより評価をあげたい。勝てる自信はある」
具体的なイメージも固まっている。
「打ち合いも、足も使える選手。どういうスタイルで来ても大丈夫な準備をしている。序盤から自分のペースでどんどんいく。上下に散らしてメンタルが削ってギブアップする展開にもっていきたい。距離感さえ守れば失敗することはない。最近は、なんだかんだで(KOまで)8、9(ラウンドは)はかかるが、そのへんで気持ちは、折れてくれると思う」
具体的なラウンド数まであげて5連続KO勝利を公約した。
加藤トレーナーは、「身長は低いがリーチが長いのでジャブの差し合いで距離感が狂わないように警戒している。そこさえしっかりすれば心配はない。前戦(9回TKO勝利)のブドラーよりは相性はいいと思う」と補足した。