「1階級上の最強王者と戦いたい」1.23大阪の防衛戦を前に2団体統一王者の拳四朗が2024年の壮大プランを語る…120万円の体脂肪測定器で減量もOK
そして名参謀は、こんな哲学的な話をした。
「型をもって型にこだわらず」
1964年の東京五輪80キロ級金メダリストで「昭和の三四郎」と称された柔道家、岡野功の言葉を拳四朗に送ったという。
「大事なのは形。だけど、相手が変化したときに、それにこだわるとスキが生まれる。形にこだわらず、相手の変化に対応するのが達人。そういうボクシングをしてもらいたい」
拳四朗も絶対的な信頼を置く加藤トレーナーの言葉を素直に受け入れた。
「自分のスタイルはぶれない。でも変化には気づく。それができればもっと強くなる」
今回は秘密兵器も導入した。
9月のヘッキー・ブドラー(南アフリカ)との防衛戦後に体脂肪率だけでなく体の部位ごとの筋肉量まで測定可能の超精密な体成分分析装置の「InBody470」を120万円で購入したのだ。朝、練習前、就寝前と、日に3度、加藤トレーナーに数値を報告することで「数字が出るでのわかりにやすく、安心感を持って」減量ができるようになった。体脂肪率は体お水分量と関連するため上下するのだが、7%から8%で収めるのが理想。
減量の最後は、約3キロの水抜きが定番で、これまでは、計量の2日前に一度試し、計量前夜に2度目の水抜きでジャストに持っていったが、今は2日前の水抜きだけでリミットをクリアできるようになった。スムーズな減量が、KO量産のパフォーマンスにつながっている。
2024年の目標として壮大なプランを掲げた。
昨年末の自身の公式Xに、「戦いたい奴がいる」と投稿していたが、その名前を隠すことなく公表した。
「ジェシー・ロドリゲスです」
元WBC世界スーパーフライ級王者で、現在、WBO&IBF世界フライ級2団体統一王者であるロドリゲスの名前をあげた。WBA世界スーパーフライ級王者、井岡一翔(志成)が2度対戦した前WBA世界同級王者のジョシュア・フランコ(米国)の弟で、昨年12月には、凄まじい殴り合いを見せてIBF世界フライ級王者のサニー・エドワーズ(英国)を9回終了後の棄権に追い込み、2団体統一に成功したばかりの19戦(12KO)無敗の強豪。リング誌のパウンド・フォー・パウンドのランキングで10位に入るなど、“フライ級最強”の世界的な評価を受けている王者だ。
「2024年にはベルトを増やしたい」という拳四朗には、ライトフライ級での4団体統一か、フライ級に階級を上げての新しいベルトか、2つの選択肢があるが、フライ級に上げた場合のターゲットは一人に絞った。拳四朗を世界王者になる前から取材しているが、ここまでハッキリと対戦希望ボクサーの名前を口にするのは珍しい。