井上尚弥が統一したバンタム級を2024年に日本人王者が独占?!
WBO世界同級王者ジェイソン・マロニー(豪州)のベルトに照準を絞るのが、元K-1王者で元OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級王者の武居だ。12月26日の井上尚弥のアンダーカードでバンタム級のリミットに残り1キロの54.5キロの契約体重で元WBC米大陸バンタム級王者マリオ・ディアス(メキシコ)と対戦して左のボディ一発で2回KO勝利した。デビュー以来、無傷の8連続KO勝利。計量時点では、ほぼバンタム級をクリアしており、バンタム級テストは成功した。試合が終わった夜から40度の高熱を出して寝込んだそうだが、気力で発症を抑えていたのだろう。
「試合前に最後まで体が動いた。スーパーバンタム級では体が重たいときもあったが、その感覚もなかった。バンタム級でやれます」
早ければ今年チャンス到来の可能性がある世界戦に向けてはこう話しした。
「心の準備はいつでもいけるぞとは思っている。ただ心ができているだけで、技術がまだ追いついていない。どんどんレベルアップしなければならない」
武居は自分の課題をよくわかっている。まだペースをつかむための駆け引きやディフェンス技術には未熟さが残る。担当の元3階級制覇王者の八重樫トレーナーは武居の現在地と可能性をこう見ている。
「パンチの出し方や仕掛け方はある程度思うようになってきた。本人が言うように正統派のボクサーではないが、武居由樹というボクシングの形を全体的にもう少し大きなものにして一つとがった武器を用意して大一番に備えたい」
とがった武器とは、ジャンピングフックなどの異例の飛び道具だろう。
ターゲットとしているマロニーは、井上尚弥が4年前の12月に無観客のラスベガスで7回KOに仕留めた相手。中谷が倒したアンドリューの兄である。13日(日本時間14日)にカナダで同級10位のサウル・サンチェス(米国)に僅差の判定でなんとかベルトを守っている。
そして、もう一人、IBF世界同級王者のエマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)への指名挑戦権を持つのが西田だ。8戦(1KO)無敗。近大出身のアマエリートで六島ジムのOBで元WBA世界スーパーフライ級王者、名城信男氏が監督として育てた。距離感覚が抜群の技巧派サウスポー。パンチ力はないが、プロ4戦目で2021年4月に比嘉の地元の沖縄に乗り込み空回りさせ続け3-0判定で、WBOアジアパシフィック王座を獲得。昨年8月には、亀田興毅氏がプロモートとする3150ファイトに登場してIBF挑戦者決定戦で同級6位のクリスチャン・ヒメネス(メキシコ)に3-0判定勝ちしてランキング1位となった。亀田氏は「今年世界挑戦を実現させたい」と断言している。