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殿堂入りした広島カープの“レジェンド”黒田博樹氏はドジャースの後輩となる大谷翔平に何を期待しているのか?

 

 メジャー7年で212試合、1319回を投げて通算79勝79敗、1986奪三振、防御率3.45の成績を残した。その原動力を聞かれ「鳴り物入りでアメリカに渡ったわけではなかったが、私が考えていたのはチームにどれくらいフィットできるか、どれだけ必要とされるピッチャーになるかだった」と振り返った。
 そして黒田はFAとなった2014年オフにパドレスなどから1800万ドル(約26億6000万円)のオファーがあったが、その高額オファーを蹴り、推定4億円で古巣カープに復帰した。男気という言葉が流行した。まだ10年前の話だが、当時の記憶が定かでないという。
「パニックというか、期限も決まっていましたし、どういう状況でどういう判断をしたか覚えていないんです。現役生活を終えて数年経っても、ファンの方が応援していただき声もかけてくれる。たくさん悩みましたが、引退して、こういう形でこれたのもカープのおかげ。決断は間違いではなかったと感じています」
 その年に11勝した黒田氏は、翌2016年も10勝をマークして、カープの25年ぶりの優勝に貢献した。
 山本氏は「一生の思い出になっているんじゃないか」と呼びかけた。
「もし広島カープに入団してなければ、今日のような日を迎えることもなかったと思いますし、野球人生の中で非常に大きな出来事だったと思う。最後に、ああいう形で、優勝もできましたし、今改めてカープに入ってよかったと感じています」
 カープ愛によってもたらされた殿堂入りである。
 そして今オフ、海の向こうのもうひとつの古巣ドジャースにも、凄い後輩が2人入った。二刀流スターの大谷翔平はメジャー史上最高額となる10年7億ドル(約1038億円)で契約を結んだ。
「契約内容も含め凄い契約をしたんだなと」
 驚きを持ってニュースを受け止めた。ドジャースの日本人スタッフや国際スカウトらとの交流が、今でもあり「その人たちが喜んでいてすごく良かったという気持ちになった」という。
 その大谷にレジェンドが期待することは何か?
 質疑応答でエールを送って欲しいと促された黒田氏は「エールですか?」と問い直し「僕が言える立場じゃないと思いますし、アメリカの中でもトッププレーになってしまった(彼に)僕がいちいち言えることはない」と謙虚に話した上で、こう続けた。
「日本の代表として、彼もたくさんのものを背負ってグランドに立っている。そういう意味では大変だと思うが、今後、日本からアメリカへ行く選手に少しでも勇気を与えられるように頑張ってほしい」
 大谷のプレッシャーを理解した上で、唯一無二の二刀流スターが担う役割への期待をこう口にした。1995年に日本人のメジャーリーグへの道を切り拓いた野茂英雄氏が、最初に入団したのもドジャースだった。

 

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