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那須川天心が世界ランカーに挑み転向3戦目にして初のTKO勝利(写真/山口裕朗)
那須川天心が世界ランカーに挑み転向3戦目にして初のTKO勝利(写真/山口裕朗)

「KOできない天心」の汚名を返上した那須川が「日本でも東洋でも挑戦したい。(批判を)黙らせたい」と宣言した理由とは?

「とりあえずKOです。自分の中でもうちょっと色々と試すじゃないが、やりたかったこともあるが、進化は見せられたと思う。“これじゃ(天心は)負けないな”というのを見せられた。徐々に一歩ずつ。今回はTKOだったけど、次はいいKOを見せたい」
 昨年9月の試合でKOできなかった息子に中指を立ててSNSで大炎上騒ぎとなったTEPPEN GYM会長の弘幸氏も「KOできるスタイルは固まったと思う。次は間違いなく倒しますよ」と、本物のKO勝利は次回のお楽しみとの感想を口にした。
「格闘技は世の中に必要じゃないかもしれないが戦うことで勇気を届けたい」
 能登半島地震の被災地に賛同者の寄付などもあわせて総額1500万円を寄付した。有言実行の25歳のボクサーは、リング上から、こうメッセージを発した。
 「バンタム級でいけると実感している。日本人で強い選手がたくさんいるんですけど、皆さん待っていて下さい」
 日本人が4団体を独占する可能性のある群雄割拠のバンタム級への殴り込みを宣言した。
 現在の世界王者は2月24日(両国)に難敵の元IBF世界スーパーフライ級王者、ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)と防衛戦を行うWBA世界バンタム級王者の井上拓真(大橋)一人だけだが、同日WBC同級王座に元2階級制覇王者の中谷潤人(M.T)が挑戦。元K-1王者の武居由樹(大橋)もWBO世界王者のジェイソン・モロニー(豪州)に照準を絞っており、WBOアジアパシフィック同級王者の西田凌佑(六島)はIBF王座への指名挑戦権を持っている。またWBAの指名挑戦権を持つ石田匠(井岡)、元WBC世界フライ級王者の比嘉大吾(志成)、元日本バンタム級王者の堤聖也(角海老宝石)も王座挑戦を狙っている。
 ファンの間では天心と武居の元キック王者対決を熱望する声が強いが、試合後の質疑応答で「誰を意識するのか?」とストレートに聞く。
「やるとなれば、誰とでもやる感覚でいる。世界チャンプ(井上拓真)がいるので、そこは意識しますが、まずは、ベルトを持っていないんで、日本でも東洋でも、他でもいいので、何かチャレンジしたいというのがある。そこから、どうやりたい、あれやりたいとなるわけで、まずは形を見せないと。全員を黙らせたい」
 日本タイトルなどバンタム級での地域タイトルへの挑戦をぶちあげた。本田明彦会長は大器ゆえに焦らず育成する方針を定めているが、これで8回戦を卒業、ルール上は、いつでも地域タイトルには挑戦できる。
 現在の日本同級王座は、堤の返上で空位。1、2位で王座決定戦が行われると見られている。WBOアジアパシフィックのベルトは、西田が持っているが、世界挑戦が本決まりとなると返上するだろう。またOPBF東洋太平洋同級王座は、この26日に敵地で王者のフローイラン・サルダール(フィリピン)に栗原慶太(一力)がダイレクトリマッチで挑むことになっている。いずれにしろターゲットは、まだ不確定だ。
――それが2024年の目標?
「ダメージがないので、このマインドでいきたい」
 実は控室で2月24日の両国大会への参戦を直訴して却下されたという。
「どこでもやれと言われればやる。選べる立場ではない」
 2024年はボクサー天心が大きく羽ばたくことになりそうである。

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