言葉を濁し消化不良だったロッテ佐々木朗希の契約更改会見…彼はいつメジャーに挑戦するのか…米メディア見解も割れる
千葉ロッテの佐々木朗希(22)が越年していた契約に合意、27日にZOZOマリン内で記者会見を開いた。スポーツ各紙の報道によると、佐々木は、「将来的にメジャーリーグでプレーしたい思いはある」と明かしたが、いつどのタイミングでのメジャー挑戦を要望して、球団とどの部分で合意に至ったかという肝心な部分は謎に包まれたままだった。海外メディアは、消化不良の会見の行間を読み取り「今オフにポスティングが実現するかも」「(国際FAルールが適用されなくなる)25歳まで日本に留まった方がいい」などと様々な見解で報じている。
佐々木はまず会見をファンへの謝罪から始めた。希望の契約を勝ち取るのは、選手の権利であり、何も謝る問題ではないが、誠実な佐々木にしてみれば、様々な報道が先行する中で、口を閉ざしていたため誤解を生んでしまったことを説明したかったのだろう。
佐々木は、将来的なメジャー希望を入団時から口にしている。今回の会見の焦点は、佐々木は、いつどのタイミングでのメジャー挑戦を希望し、球団との長い交渉の結果、それが認められたかどうかという点。
だが、会見で佐々木は明確な回答をしなかった。
朝日新聞や日刊スポーツの報道によると、「いつメジャーリーグに挑戦したいのか?」と聞かれ「今シーズン、マリーンズでプレーするのでまずはちゃんと戦うために準備をしないといけないと思う。まずは目の前のシーズンを僕は大事にしたいと思います」と返答。質問をはぐらかした。
「今年のオフに挑戦するのであれば、25歳ルールにひっかかるが、それでも早くに挑戦したいのか?」との核心を突く質問には、こう返した。
「もちろん球団との兼ね合いもあるので、そこは将来的には行きたい気持ちはありますし、ここまで球団とコミュニケーションを取ってきたので、まずは、そこに少しでも近づけるように、今シーズンプレーするしかないかなと思っています」
なんとも解釈が難しい返答だが「そこに少しでも近づけるように」というのは、今年のオフのポスティング申請をイメージしているのだろうか。
メジャーでは16歳以上25歳未満でプロ経験が6年に満たない選手との契約には、国際FAルールが定められており、球団ごとにボーナスプール枠が475万ドル(約7億円)から575万ドル(約8億5000万円)の間で設けられ、マイナー契約しか結べない。今年5年目で22歳の佐々木がポスティングによる移籍を申請しても、その25歳ルールが適用され、最低でも1億ドル(約148億円)とされる巨額な契約は結べない。またポスティング移籍はいくら本人が希望しても球団が了承しなければ実現しないが、その場合、球団が得るポスティングフィーは、わずか数千万円程度。
オリックスの山本由伸はドジャースと12年3億2500万ドル(約481億円)の大型契約を結び、オリックスに入るポスティングフィーは5062万5000ドル(約75億円)にもなった。もし佐々木の値段が1億ドル(約148億円)と見積もれば、24億円を超えるリターンがある。球団サイドは「夢を後押ししたい」とのスタンスだが、経営上から見れば25歳ルールの適用のなくなる2026年のオフまでポスティング申請を引き延ばしたいのが本音だろう。佐々木は、会見で「コミュニケーション」という言葉を多用していた。それは何の交渉を示すのか。越年した交渉の中で何が最大の争点になったかも不明だが、球団がポスティング申請の時期で佐々木の希望に歩み寄った可能性も否定できない。