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韓国がまさにミラクルなゴールでサウジアラビアに追いつきPK戦を制してベスト8へ進んだ(写真:森田直樹/アフロスポーツ)
韓国がまさにミラクルなゴールでサウジアラビアに追いつきPK戦を制してベスト8へ進んだ(写真:森田直樹/アフロスポーツ)

「贖罪のゴール」と「狂気のセーブ」“ミラクル韓国”が終了間際の同点弾からPK戦を制して16強対決でサウジアラビアを撃破

 もっとも、手放しで喜ばれているわけではない。

 韓国を率いるユルゲン・クリンスマン監督(59)は、グループステージで採用した[4-2-3-1]システムを突然[3-4-3]へ変更してサウジアラビア戦に臨んだ。

別の韓国メディアの『中央日報』は絶対的なエース、ソン・フンミン(31、トッテナム・ホットスパー)を1トップにすえたシステムを「サプライズを披露した」と伝えた。

「戦術を変えたにもかかわらず、クリンスマン監督に率いられる代表チームのプレーはもどかしかった。韓国は後方から長いパスで前方のソン・フンミンを狙う単純な攻撃を何度も試み、ソン・フンミンも何度かシュートチャンスを迎えたが、いずれも相手ゴールキーパーの正面に向かった。後半途中から従来の4バックに戻したなかで、ソン・フンミンはこの試合でもゴールを決められなかった。今大会ではPKによる2ゴールにとどまっている」

 ソン・フンミンを生かし切れていない、という理由で、クリンスマン監督へ向けられた懐疑的な視線はまだ収まっていない。それでも韓国メディアの『OSEN』は、責任重大なPK戦の1番手でしっかりと決めたソン・フンミンの試合後の言葉を伝えている。

「批判を浴びたなかでも、仲間たちが積み重ねた努力が報われてよかった。特にチョ・ギュソンとチョ・ヒョヌの2人が報われたのが本当に嬉しい。PK戦に関しては、私自身は決める自信があった。その後の仲間たちも自信を持ってPKを決め、スタンドの大多数を占めたサウジアラビアのファンを静かにさせられたことを誇りに思っている」

 2月2日(日本時間3日)の準々決勝では、今大会を危なげなく勝ち進んできたオーストラリアと対戦する。1回戦から中4日のオーストラリアに対して韓国は中2日。体力面で大きなハンデを負うなかで、同メディアはさらにソン・フンミンの言葉を伝えている。

「われわれの目標は準々決勝ではない。もっと、もっと高いところにある。今日の試合であきらめなかったように、オーストラリア戦も全員で乗り切りたい」

 1956年の第1回、1960年の第2回大会を連覇しながら、韓国はアジアカップの頂点から遠ざかっている。昨年2月に就任したクリンスマン監督のもとで目標にすえられてきた64年ぶりの優勝へ、ミラクル逆転劇とともに最初の難関を越えた。

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