二転三転“ドタバタ”の末に離脱した伊東純也の性加害疑惑問題がアジア杯“勝負”のイラン戦に与える影響とは?
一夜明けた2日午前中から、田嶋会長と次期会長予定者の宮本恒靖専務理事(46)、マーケティングなど各部署のトップやJFAの事務局員、さらには弁護士らが対面やオンラインなどさまざまな形で話し合いを行い、あらためて伊東の離脱が決まった。
「現在の状況を考えると、騒がしい環境がチームを取り巻いていくとも想定される。選手たちがサッカーに集中できる環境をJFAとして作っていく必要があるなかで、伊東選手のコンディションも含めて、離脱させるのが望ましいという判断に至りました」
伊東とともに戦いたいと望む選手たちの思いよりも、伊東が残る状況がチームに与えるマイナス要素の方が大きい――判断基準をこう語った田嶋会長は、ステイクホルダーやスポンサーの声も影響したのか、という問いに「ゼロではない」とこう答えた。
「こういう事態が起きて、お互いにいろいろな情報を出すなかでそのあたりのことも考慮して、パートナーのみなさんへの配慮もしたのも事実です」
JFAの協賛企業にはキリングループ、アディダス、全日空などの大企業が名を連ねている。さらに昨年7月にはクレディセゾンもメジャーパートナーに加わり、公式アンバサダーには伊東が就任していた。しかし、今回の一件が報じられてから、クレディセゾンは公式HP上から伊東に関するページや画像などをすべて削除している。
現状では双方の刑事告訴が受理され、事実解明は大阪府警の捜査に委ねられている。田嶋会長も「この件について、現段階でわれわれが白か黒かと言える立場にはない」としたが、イメージを重視する企業側はスキャンダルが報じられた時点でマイナスと受け止める。
加えて、性加害を含めた女性への暴力問題に対して、厳しい視線が向けられる社会的な風潮が全世界で広まりつつある。事態は必然的に、残留を望む伊東や他の選手たちの思いを、はるかに超越した次元の問題と化しつつある。
JFAが下した最終的な結論は、山本ダイレクターから森保監督及び選手たちに伝えられた。田嶋会長は「森保監督は『判断を尊重する』と言ってくれましたし、選手たちも納得してくれた、と思っています」と話したが、カタールで開催された2022年のW杯を含めて伊東と長い時間を共有してきた代表チームはどのような影響を受けるのか。