アジア杯から帰国した森保監督が囲み取材に応じた
アジア杯から帰国した森保監督が囲み取材に応じた

SNSで飛び交う「解任論」…アジア杯から帰国した森保監督の反応は?

そして、勝ち越しゴールを奪われた直後に守田とMF堂安律(25、フライブルク)を下げ、浅野拓磨(29、ボーフム)と細谷真大(22、柏レイソル)の両FWを慌てて投入した。しかし、時すでに遅し。2人のプレー時間はほぼゼロのまま終わった。
「イランが直近の試合で120分間を戦ってきたなかで、われわれが圧力を持って90分間で終わらせることも考えてはいた。しかし、相手も非常にパワーを持って戦ってきていたし、われわれも耐えながら戦っていたのもあって、そのあたりの見極めが自分のなかでちょっとうまくいかなかった、というところはあると思っています」
 カタール発の報道によれば、森保監督が「耐えながら戦っていた」と言及した後半に関して、試合後に守田が「もっといろいろと提示してほしい」と語ったという。
 森保監督は2018年9月に船出した第1次政権から「いい守備から、いい攻撃へ」というコンセプトを掲げ、細部を積み上げてきた。しかし、前提となる「いい守備」が、体格差を前面に押し出したイランのロングボール攻撃に寸断され続けた。
 必死に戦っている選手だけの判断では、おのずと限界が訪れる。劣勢を覆す上で求められるのがベンチワークとなるが、効果的な選手交代ができなかったばかりか、3バックへの変更など、最終ラインの決壊を補うための策も講じられなかった。
「(最終ラインの)裏を取られている、という部分に関しては、守備陣が対応しなければいけない場面もあるし、ロングボールを出させないために前線からの守備をどうするか、という部分もある。あるいは、われわれの攻撃をシュートで完結させた場合にはそういう局面が起こらないかもしれない。守備陣だけの問題ではなく、いろいろな改善点がある」
 帰国後に森保監督があげた対抗策が、しかし、イラン戦ではまったく実践されなかった。だからこそ批判と受け止められるのを承知の上で、守田は実質的にピッチ上の選手任せになっている采配に、ベンチワークも加えてほしいと悲痛な叫びを上げた。
 しかし、指揮官はチームを作り上げている途上だと強調するだけだった。
「チーム活動のなかで、すべての局面に対応できるように少しずつコンセプトを積み上げている。イラン戦においては、選手がうまく局面を打開できるだけのコンセプトがまだ共有できていなかった、というところはあったと思うが、この経験がひとつの積み上げになって、次へのチーム力にまたつながっていくのかなと思っています」
 時間が解決すると力を込めた森保監督は、さらにこう続けた。
「選手ができるだけ思い切ってプレーできるように、いろいろな準備をしていきたい。ただ、同じことをやり続ければ相手も分析してくるので、またその上をいかないといけない。チーム戦術で解消できるところと、選手が対応力を持って局面を打開できるところを両輪として、今後のチーム作りをしていきたいと思っています」

 

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