阪神の連覇確率は「92%」?!臨時コーチを務めた赤星憲広氏が大胆予想をした理由とは?
臨時コーチをする中で、赤星氏は、昨年は盗塁「1」に終わっていた森下の走力を買い、「力んで上体が起きてしまう欠点を直せば最低10個は走れる」とハッパをかけた。
「近本、中野が出塁するとクリーンナップへの配球が変わる。3番の森下が塁に出て走ってくるとなるとノーマークでは済まなくなり、大山が打ちやすい配球に変わる。相手バッテリーが打者に集中できなくなる」との効果を示した。
岡田監督も選手の意識の高さを評価していた。優勝したオフは行事が重なり例年より多忙になる。だが、その影響はまったく感じなかった。
「ちょっと今までと違った選手のオフシーズンだったと思う。年末までは忙しかったけれど、1月に入ってからの自主トレをみんながちゃんとやることわかっているんだけど、やってこないと、こういう動きはできない」
特に岡田監督を喜ばせたのは投手陣の仕上がりだ。
最高防御率タイトルを獲得し、開幕投手の最有力候補である村上は、もう明日開幕を迎えても大丈夫なくらいもう仕上がっていた。伊藤将の出来もはやく、昨年は思ったような結果を残せなかった青柳、ベテランの西勇も「去年より全然ええ」と岡田監督は見ている。
肩のガングリオンを除去した大竹、体調不良だった才木が出遅れているが、開幕を不安視するほどでもない。2年目の秘密兵器左腕の門別、ドラフト2位の椎葉、現役ドラフトでオリックスからきた漆原もブルペンでアピール。新外国人のゲラも第一クールで2日投げ込むなど、新戦力の台頭もあり、チーム防御率2.66を誇る投手陣がさらに活性化している。元中日の“レジェンド左腕”山本昌は、ブルペンを視察して岡田監督に「質量ともに阪神の投手陣はセ・リーグの中で頭ひとつ抜けていますね」との感想を伝えたという。
岡田監督が山本氏の秘密兵器の左腕門別の印象を聞くと「いいですね。僕の現役時代よりボールが速いですよ」と返ってきた。
岡田監督が言う。
「みんな普通に動いているよな。やってきた以上に張り切ってるわけではなく、これだけやってきたから、これくらい動けますみたいに見えるよな。みんなの力量は去年見て分かってるから、それ以上のことを別に見せてもらう必要はない。そら新人や移籍組は、気持ち的に、ええとこを見せようというのは、当たり前やけど。今のその姿を見せてくれればええということや」
侍ジャパンの井端弘和監督が視察した際に「選手がひとまわりふたまわりでかくなったとうに見えますね」と伝えると岡田監督は「自信が大きく見えさせるんやろう」と答えた。
連覇へ向けて危険な“驕り”はなく、何も死角は見当たらない。
元盗塁王が打ち出した「連覇確率92%」という数字は、あながちOBゆえの下駄をはかせた“気配り予想”ではないのかもしれない。