性加害疑惑で代表離脱した伊東純也がフランスでは“問題”を問われず11日のロリアン戦に出場へ…「最高のパサーの復帰は朗報だ」と地元紙
女性側が謝罪を求めたのに対して、伊東側は同意があったと主張。平行線をたどったまま女性側は1月18日に刑事告訴し、一連の動きを週刊新潮のニュースサイト『デイリー新潮』が報じた。同31日のバーレーン代表との決勝トーナメント1回戦の直前だった。
伊東はバーレーン戦をリザーブのままで終え、翌2月1日に代表離脱が発表された。しかし、他の選手たちの要望もあって離脱は保留となり、その後に残留の方向で検討とされ、最終的には日本国内で2日にJFAが協議した末に離脱が正式決定した。
二転三転した末に伊東を離脱させた理由を、JFAの田嶋幸三会長(66)は「チームがしっかりと戦える環境を作る上で、総合的に判断した」と説明。さらに、ステイクホルダーやスポンサーの声も影響したのか、という問いに「ゼロではない」とこう続けた。
「パートナーのみなさんへ配慮をしたのも事実です」
3月に待つ北朝鮮代表との北中米W杯アジア2次予選をはじめとする、今後の伊東の代表活動に対しても、田嶋会長は「これがどのように展開していくのか、にもよると思うので、JFAとしてしっかりと見極めていきたい」と明言を避けている。
対照的にスタッド・ランスは一貫した方針を貫いている。
1日にクラブの公式HP上で、最初に離脱を発表したJFAより早く声明を掲載。女性への暴力問題を「無視することはできません。活動しない、あるいは沈黙を保つことも望んでいません」と位置づけた上で、伊東側も同日に虚偽告訴容疑で“逆刑事告訴”した状況を踏まえながら、推定無罪の原則に立った上で伊東に対して次のように言及している。
「日本人ストライカーの人間的な資質と振る舞いに対して、スタッド・ランスはこれまで一度も疑問視したことはありません。(中略)いま現在に至るまで、私たちは選手との連帯を示しています。同時に今後は真相の解明につながる具体的な証拠を待ち望むとともに、いかなる法的な進展に対しても細心の注意を払いながら見守っていきます」
この声明の延長線上に伊東の練習復帰がある。クラブ公式Xへの投稿には伊東の近況を知りたがっていた、日本人ファンを中心に激励コメントが数多く寄せられている。
「この一枚で全てを伝えてくれるスタッド・ランス公式、あんた天才だよ」
「日本中のIJ(伊東純也)ファンが今一番必要なものだったかもしれない」
「彼を信じてくれてありがとう。彼からサッカーを奪わないでくれてありがとう」
「すごく難しかったと思うけどこの時期に伊東選手を受け入れ、信じ、サポートを表明したこのクラブを私は誇りに思います」
「ありがとうランス。そして指輪してるの見て涙出た。嬉しすぎる」
物理的には出場が可能とされていた、4日のトゥールーズ戦で伊東はベンチ入りしなかった。11日のロリアン戦に関しても、伊東の心身のコンディションを含めて、チームとしてあらゆる状況を勘案するはずだ。それでも愛してやまないサッカーができる環境にいる伊東を、スタッド・ランスの公式SNSへの投稿と本人の写真がしっかりと物語っている。