「多くの人を失望させ嘘をついた！」4万人の香港で出場せず“ガラガラ”の国立でプレーしたメッシに中国から激怒の声

　中国メディアの『捜狐体育』は、香港選抜戦の3日後にプレー可能な状態になったメッシの出場を、皮肉を込めて「医学的な奇跡が起こった」と伝えた。
「ネット民をうならせたメッシの一連のプレーは、とても怪我明けの選手には見えなかった。だからこそ『怪我が治るのが早いな』とか『たった2日で完全な状態になるのか』といった書き込みが目立った。なかには『実はメッシは神戸戦の出場に備えて詐欺をはたらいていた』と、香港選抜戦の欠場を故意的なものだと断定するものもあった」
　メッシを直接非難する手段として、SNSも利用されている。メッシの公式インスタグラムは、誹謗中傷に近いコメントで炎上状態になった。ほとんどが香港や中国から投稿されたと思われるコメントの一部をあげると次のようになる。
「あなたは多くの人々を失望させ、さらに嘘をついた。神はあなたと、あなたのチームが起こした今回の不誠実な行動を一生忘れない」
「中国はもうあなたを歓迎しない。二度と来るな」
「あなたは私たちに吐き気を催させる」
「偽のサッカーチャンピオンへ。他人をリスペクトしない人間は、言うまでもなく尊敬もされない」
「クリスティアーノ・ロナウドの方があなたよりマシだ。人種差別主義の小人よ、恥を知れ」
　もっとも、国立競技場でもブーイングが起こっている。
　両チームともに無得点で90分間を終え、引き分けかと思われた直後。神戸の吉田監督も選手たちも「知らなかった」と驚いた、国際親善試合では異例となるPK戦に突入した。そして、インテル・マイアミの5人目。決めれば勝利が決まる場面で登場したキッカーが、メッシではないとわかった直後に、大歓声に混じってブーイングが響いたのだ。
　実はメッシにはトラウマがある。2018年のロシア大会、そして先のカタール大会と、試合中に獲得したPKを2度失敗したW杯史上初の選手として歴史に名を刻んでいる。最終的には6人目にもつれ込んだPK戦を神戸が4－3で制したなかで、最後までキッカーを務めなかった謎を残したまま、メッシの狂騒曲は、終わりを告げた。
（文責・藤江直人／スポーツライター）