大騒動となったメッツのアジアツアーの波紋が広がっている(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)
「お前は偽善者だ!」ファンを裏切ったメッシ騒動が波紋…中国でのアルゼンチン代表戦が中止となり「出場しなかった」香港では約8億円の損失でチケットの半額を返金
波紋が広がった中国でも、メッシへの批判が急速に強まっている。
同国のポータルスポーツサイト『捜狐体育』は「われわれはリオネル・メッシに裏切られた」と、ここ数日間のメッシの立ち居振る舞いを痛烈に批判した。
「日本でプレーしたメッシの姿を介して、香港での欠場が詐欺行為だったと確認できた。メッシの香港訪問は中国のファンを欺いただけでなく、中国ファンが抱いていたメッシへの偉大なイメージを一瞬にして崩壊させた。ファンの理解をえられにくい行動を取るクリスティアーノ・ロナウドが悪党だとすれば、メッシは偽善者だ。中国にとって重要な大晦日の9日に、タトラー・アジアはチケット代金の半額払い戻しを発表するしかなかった。彼らが自腹でまかなう大金を、当然ながらメッシとインテル・マイアミは負担しない」
中国のスポーツ当局は9日、杭州市で3月に予定されていたアルゼンチン代表とナイジェリア代表の国際親善試合を中止にしたと発表した。5度目の出場で初めて優勝したカタールW杯後も代表チームでのプレーを継続させ、北中米W杯出場をかけた南米予選も戦っているメッシも出場予定とされていた一戦。当然ながら今回の騒動と無関係の措置ではないだろう。
さらに、その後に北京で開催予定だったアルゼンチン代表とコートジボワール代表の国際親善試合も微妙な状況となった。中国、アルゼンチン両サッカー協会の間で結ばれていた提携協力関係も一時停止か、最悪の場合は解消される見通しとなっている。
メッシを見られなかった香港のファンの怒りに、中国本土までが同調している背景には、神戸戦で途中出場し、メンツを潰したメッシへの意趣返しもあると言っていい。スポーツとどんどん乖離していく状況は、修復不能の泥沼に陥りつつある。