性加害疑惑に揺れる伊東純也が「推定無罪」のチーム方針でフル出場…SNS上では誹謗中傷の声少なく復帰を祝福
伊東の性加害疑惑と刑事告訴が、週刊新潮のニュースサイト『デイリー新潮』で報じられたのは1月31日。バーレーン代表とのアジアカップ決勝トーナメント1回戦の直前であり、この試合で伊東は初めてリザーブのまま試合を終えていた。
一夜明けた1日に、スタッド・ランスは女性への暴力問題を「無視することはできません。活動しない、あるいは沈黙を保つことも望んでいません」と位置づけた上で、伊東側も虚偽告訴容疑で“逆刑事告訴”した状況を踏まえて次のように言及している。
「日本人ストライカーの人間的な資質と振る舞いに対して、スタッド・ランスはこれまで一度も疑問視したことはありません。(中略)いま現在に至るまで、私たちは選手との連帯を示しています。同時に今後は真相の解明につながる具体的な証拠を待ち望むとともに、いかなる法的な進展に対しても細心の注意を払いながら見守っていきます」
一方の日本サッカー協会(JFA)は、スタッド・ランスの声明よりも後に伊東のアジアカップ離脱を発表。他の選手たちの要望もあって保留され、さらに残留の方向で検討とされながら、2日にJFA内で行われた話し合いで正式に離脱が決まった。
JFAの田嶋幸三会長(66)は緊急会見で「チームがしっかり戦える環境を作る上で、総合的に判断した」と伊東を離脱させた理由を説明。さらに、ステイクホルダーやスポンサーの声も影響したのか、という問いに「ゼロではない」とこう続けている。
「パートナーのみなさんへ配慮をしたのも事実です」
方針が二転三転したJFAとは対照的に、スタッド・ランスは推定無罪の姿勢を貫き通している。伊東は6日から再開されたチームの練習に合流し、ロリアン戦の遠征メンバーに入り、中村敬斗(23)ともにスティル監督から先発に指名され、最初の交代カードが切られた後半27分に中村がベンチに下がったなかで、最後までピッチに立ち続けた。
沈黙気味だった前半から一転、後半18分には相手ゴール前に抜け出し、左足で強烈なシュートを放つもオフサイイドと判定された。後半アディショナルタイムには右サイドを突破し、十八番でもある低い弾道の鋭いクロスを相手ゴール前へ供給した。
ロリアン戦の先発メンバーを告げるクラブの公式Xには誹謗中書の声は少なく、伊東のフル出場を喜び、起用をためらわなかったチームに感謝する日本人ファンのコメントであふれかえった。
「ありがとう!ありがとうっておかしいけど、ありがとう!」
「今年一番感動した事かもしれない」
「法廷で白黒つく前にスポンサーに忖度しまくって強制帰国させちゃう日本代表とサッカー協会。かたや即座に選手との団結を表明してスタメンで使用続けるスタッド・ランス。そら週刊誌の良い餌になるわ、日本サッカー界」
次節は18日(日本時間19日)に、ホームのスタッド・オーギュスト・デローヌにRCランスを迎える。事実が解明するまで、愛してやまないサッカーに集中できる環境が整った伊東は、チームの4試合ぶりとなる勝利だけを目指して調整を重ねていく。