なぜ久保建英はビッグクラブ移籍を選択せずレアル・ソシエダと2029年6月まで契約を延長したのか…その裏事情とは?
今シーズンも好調を維持する久保は、公式戦で6得点3アシストをマークしている。ようやく巡り会えた相思相愛のソシエダの大黒柱として、しっかりと腰をすえながら成長曲線を共有していきたい。このような思いを抱く久保にとって、契約延長を拒否する理由は見当たらない。ただ、前出の『AS』はこうつけ加えることも忘れなかった。
「久保に対して設定されている、契約解除条項の増額は見込めない」
契約が延長されれば、期間に比例するように移籍金も増額される場合がほとんどを占める。一転して今回の久保の場合は6000万ユーロが据え置かれるという。
移籍金が現状よりもさらに高額で設定されれば、豊富な資金力を有するビッグクラブ勢でも久保の獲得に二の足を踏みかねない。久保側の意向かどうかはわからないが、久保がこの先にさらなる成長を遂げ、満額の移籍金を提示するクラブが現れた場合には、契約期間中であっても移籍できる余地が残されたとも受け取れる。
いずれにしても、モチベーションをさらに高めた久保はすでに次を見すえている。動画のなかではパリ・サンジェルマン戦へ向けてこんな言葉も残している。
「今週は月曜日から僕の契約延長というニュースを届けられましたけど、一番のビックニュースとして、僕たちがパリのホームで勝つ、というニュースを届けられたらいいなと思っています。そのためにも全力で最高の準備をしたいと思っています」
久保は先発フル出場した10日のオサスナとのリーグ戦で、右膝に怪我を負ったと報じられた。しかし、ソシエダのイマノル・アルグアシル監督(52)は「単なる打撲だと聞いているので、次の試合も出場できることを願っている」と軽傷だと強調している。
ソシエダがチャンピオンズリーグ決勝トーナメントに臨むのは、初出場だった2003-04シーズン以来、20年ぶり2度目。当時は1回戦でオリンピック・リヨンにホーム、アウェイともに0-1で敗れて姿を消した。くしくも同じフランス勢と対峙する14日の第1戦へ。気持ちも新たに臨む久保が、歴史的勝利へ向けてソシエダをけん引する。