【独占】中日の立浪監督が語る“令和の米騒動”の真相
立浪監督が求めるのは、そこなのだ。
「勝たないといけない。負けているから、おもしろおかしく、くだらないことばかり言われるんです」
――この2年間、貫いてきた指導方針は今年変化しますか?
「2年間の反省も含めて、選手に野球をやりやすい環境は作ってあげなくてはいけないとは感じています。ただ優しいばかりじゃいけない。時代は変われど、143試合を戦うという野球の条件は何も変わっていません。お客さんが、負けているのに応援に来てくださる。それに応えなければならないんです。自分がここまでチームを変えてきました。今年は、思いきってやるだけだし、我々(首脳陣)も頑張るけれど、やるのは選手なんです。それを感じて選手がやってくれないとチームは変わらないんです」
――立浪イズムはぶれない?
「全然変わっていないです。私のいいところは少ないかもしれないが、選手を伸ばしてあげないといけない。成長させてあげないといけないんです。もちろん選手に気を使わねばならないところもありますが、厳しくやります。それは長くレギュラーとして頑張るために何が必要かを私は自分でやってきて、わかっているからなんです」
ヤクルトの高津監督が2021年にリーグ優勝を果たしたとき「絶対大丈夫」という言葉に象徴される、そのモチベーターとしての指導法が評価された。今の時代の指導者の手本であるかのような賞賛を受けた。
だが、18年ぶりのリーグ優勝、38年ぶりの日本一を果たした阪神の岡田監督は、球界屈指の野球への造詣の深さと、勝負師としての才能、そしてタイガースを蘇らせるという生え抜き監督ゆえの強い信念を持って、選手に媚びを売ることもなく、強いリーダーとしてチームを頂点に導いた。実はすべてが計算ずくで行われたことだったが、時には試合後に容赦なく個人名をあげて批判もしていた。
古いも新しいもない。
プロ野球は結果の世界。勝てば、そのスタイルが正しいとされる。立浪監督に、そういう話を振った上で、こう問うた。
――バッシングされてもぶれない気持ちを持てる理由は?
「ある意味、負けると自分が色々(批判を)言われて当然です。でも、自分へ批判が殺到することで、選手を守れたっていうところもあります。これだけ負けているのに、私が注目を浴びる。いい風にとれば、その注目は、期待の裏返しでしょう。自分はいくら叩かれてもいい。ただ選手は奮起しないと。我々が奮起しても試合に出ませんからね(笑)。だから、“なんとかせなあかん”という気持ちのある選手。力があり、可能性のある選手を使っていきたい」
(次回へ続く)
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)