韓国サッカー界の内紛問題が波紋…情報リークを疑われたクリンスマン監督が解任危機…一部選手に代表ボイコットの動きも
サッカー韓国代表のユルゲン・クリンスマン監督(59)の更迭が不可避な状況となった。ヨルダン代表に敗れたアジアカップ準決勝前夜の5日に内紛が発生していたと、英国メディアが13日(日本時間14日)にスクープしたのを受けて、情報をリークしたと噂されるクリンスマン監督の解任を求める声が韓国国内で起き、一部選手が、今後の代表招集をボイコットする動きまで報じられる異常事態となった。大韓サッカー協会(KFA)は15日に戦力強化委員会を開催し指揮官の進退を決定する方向だ。
ソン・フンミンに逆らったイ・ガンインがSNSで謝罪
韓国サッカー界が前代未聞の激震に襲われた。
発端は英国のタブロイド紙『THE Sun』のスクープ。アジアカップ・カタール大会の期間中に、韓国代表で小競り合いを伴う内紛が発生し、エースストライカーのFWソン・フンミン(31、トッテナム・ホットスパー)が負傷していたと13日に報じた。
事件が起きたのは、ヨルダンとの準決勝を翌日に控えた5日の夕食の席。MFイ・ガンイン(22、パリ・サンジェルマン)らの若手数人が早く食べ終え、席を離れて卓球に興じ始めた直後に、キャプテンのソン・フンミンが注意を与えたのがきっかけだった。
同メディアは「これにイ・ガンインが反発した」と報じている。
「チームの絆をより深めるために、全員で夕食を取りたいと考えていたソン・フンミンは席に戻るように促した。しかし、イ・ガンインは耳を貸さず、その態度に苦言を呈した別の選手に対して暴言を吐いた。激怒したソン・フンミンがイ・ガンインの喉元をつかみ、イ・ガンインもパンチを繰り出して応戦した。パンチは空振りに終わったが、さらに大勢の選手が入り乱れたなかで2人が引き離された際に、ソン・フンミンは右手中指を脱臼した」
ヨルダン戦で先発したソン・フンミンは中指に包帯を巻き、さらに人差し指とともに固定する痛々しい姿でフル出場している。確執が生じたイ・ガンインも先発フル出場するも、チームとして枠内シュートを1本も放てないまま0-2で完敗した。
目標に掲げていた64年ぶり3度目の優勝を逃した韓国には、チーム内の士気を著しく下げる事態も生じていた。英国発の報道を受けて、韓国メディアの『eDaily』は新旧エースの対立がクリンスマン監督と選手の関係も冷え込ませたと報じた。
「ベテランを中心に何人かの選手がクリンスマン監督に対して、ヨルダン戦でイ・ガンインを出場させないでほしいと懇願した。しかし、イ・ガンインを高く評価している指揮官はこれを無視した。不信感を募らせたからか、ソン・フンミンは敗戦後に『この先、代表チームでプレーしていくかどうかを考えなければいけない』と話している」
同メディアはさらに、一連の報道をKFAがすべて認めたと伝えている。
「昨年から代表チーム内にいくつかの派閥があるという噂が絶えなかった。ヨーロッパ組と国内組とが分裂している兆候も、いたるところで見られた。チーム事情に詳しいKFAの関係者は、こうした問題が『卓球事件』を介して顕在化したと指摘している」