なぜ阪神の岡田監督は調整不安のノイジーと森下翔太を放置しているのか?
球団史上初の連覇を目標に掲げる阪神の沖縄キャンプが第4クールに突入する。不安材料は、岡田彰布監督(66)から打撃改造の指示を受けているシェルドン・ノイジー(29)と、新打法に取り組んでいる森下翔太(23)に良化兆候が見られないところ。だが岡田監督は、まだ2人には手をつけずに放置している。その理由とは?
ノイジーのバット寝かしたまま問題
沖縄キャンプ初日にちょっとした“ゴタゴタ”が起きた。
2年目の残留条件を「寝かせて構えるバットを立てること」とされていたはずのノイジーが、バットを寝かせたままランチでのフリー打撃を行っていたのである。ネットの速報記事で「岡田監督がバットを立てろ指令も打撃フォーム変更せず」と報じられたことで、ノイジーの知人が「おまえは監督に反発しているのか?」と心配して本人に連絡をしてきたほどのちょっとした騒ぎになった。
実は、キャンプ前日に岡田監督はノイジーと話し合いを持っていた。ノイジーは、「内容については話したくない」とコメントしたが、メジャー時代にバットを立てて構えて結果が出ず、特に2021年のドジャース時代に33試合、打率.169と低迷してリリースされたことが“トラウマ”となっていることを説明。「バットを寝かせて構えることを継続したい」と訴えた。岡田監督は、その説明に理解を示した上で、こう説いた。
「問題は構えじゃなくて打ちにいくときのテイクバックのトップの位置なんや。バットを寝かせることで、そのトップがないし、トップでバットが寝ていては打球に角度がつかない。別に寝かせて構えていいのでトップの位置では立てておくようにやってみてくれ」
ノイジーは、その教えに納得。フリー打撃で、それを試みようとはしているが、どうもうまくいかない。紅白戦では2試合で4打席立って1安打。今のところ新打法の効果は出ていない。
そして森下である。バットをグリップが太く岡田監督が「棒みたい」と表現したピートローズ型に変更。バットのヘッドを返さず、煽るような軌道で、強引に体を回転させてフルスイングするパワー打法に打撃フォームを改造した。だが、打つ瞬間にいらない力みが入り、打球が上がらずコンタクト率も悪くなった。
「あれじゃ打てへんのちゃうか」
岡田監督は、すぐさま新打撃フォームを見て、水口打撃コーチに愚痴ったが、直接、森下に注意はしなかった。
今の段階では、ノイジー、森下の2人の問題児を共に放置しているのである。
なぜか?
理由は2つある。
「まだ時間があるからな。自分で色々と試しながら考えればええことやんか。バッティングは難しいよ。そのコツをつかんだときに本物になるからな」
バッティングで最も重要なタイミングの取り方は千差万別。教えてできるものではない。2人のポテンシャルを評価しているからこそ、それぞれが試行錯誤しながら自らが何かをつかみとるのを今は待っているのだ。あまりにも迷走するようであれば、ワンポイントアドバイスは送るのだろうが、まだその時期ではないという判断である。