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韓国はクリンスマン監督を解任した(写真・ロイター/アフロ)
韓国はクリンスマン監督を解任した(写真・ロイター/アフロ)

なぜ韓国は11億円を超える違約金が発生するにもかかわらずクリンスマン監督を解任したのか?

 大金を支払うリスクを覚悟の上でKFAがクリンスマン体制に終止符を打った理由のひとつに、退陣を求める国内世論の高まりがある。就任直後から少なからず批判を浴びてきた同監督は、アジアカップ敗退後も、国民世論を逆なでする行動を取ったと別の韓国メディア『my daily』が伝えている。
「クリンスマン監督はまず、韓国代表監督に就任した際の『韓国の国内で活動する』という約束を瞬く間に反故にした。アメリカでの在宅勤務を優先させた同監督の要望により、KFAは代表選手発表などの記者会見をすべて廃止した。代表選手を選出する基準や、来たる試合での起用法を見極める場となる記者会見が、一方的に破棄された」
 初陣から5試合続けて白星なしと低空飛行を続けてきた渦中で、クリンスマン監督は「アジアカップを待って欲しい」と繰り返してきた。そして、64年ぶり3度目の優勝を逃した後の言動も、世論を激怒させたと同メディアは続けている。
「アジアカップには史上最強と言える陣容で臨んだにもかかわらず、FIFAランキングではるかに劣るヨルダンに準決勝で完敗した。帰国後に『いい成績を収めた』と発言し、国民を激怒させたクリンスマン監督は2日後の10日には極秘裏にアメリカへ帰国した。さらにオンラインで出席した15日の戦力強化委員会では、戦術不足を指摘する声に対して『ソン・フンミンとイ・ガンインの確執が原因だ』と敗因を選手になすりつけた」
 別の韓国メディア『Sports Seoul』も、クリンスマン監督に対して「最後まで自分自身を責めることなく、無責任を貫いた」と報じている。
「独自の戦術を持たず、ヨーロッパ組の個の能力に頼ったサッカーのなかで国内組は傍観者であり続けた。これらが放置され続けた結果が、代表チームのモチベーションの著しい低下を招いた。ソン・フンミンとイ・ガンインの衝突は、内部に生じていた亀裂を象徴していた。リーダーシップなき指揮官に、誰もついていけなくなっていた」
 代表チームを巡る一連の動きを受けて、韓国代表の公認サポーター団体「レッドデビルズ」が緊急役員会を前に、クリンスマン監督の解任を求める公式声明を発表していた。そのなかには半ば脅迫とも受け取れる文言も記されていた。
「具体的な答えがなければ、もはや手をこまねいているわけにはいかない」
 戦力強化委員会の解任答申が“内圧”ならば、国内世論やレッドデビルズなどの動きは“外圧”になる。まさに板挟みになった状況で、KFAは解任に踏み切らざるをえなくなった。今後に生じると見られる多額の違約金に関して、韓国メディアの『Xportsnews.com』は実業家でもあるチョン・モンギュ会長のコメントを次のように報じている。

 

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