【独占】中日の立浪監督が明かす横浜DeNA戦で“3回完全”アピールした根尾の育成構想…「よほどのものを見せないと開幕ローテーは無理。ただ必ず今季先発チャンスは来る」

　中日は根尾昂投手（23）が17日、沖縄北谷のアグレスタジアム北谷で行われた横浜DeNAとの練習試合に先発し、3イニングをパーフェクトに抑えて開幕ローテー入りをアピールした。立浪和義監督（54）は本格的に投手転向して2年目の根尾に何を期待しているのか。RONSPOの独占インタビューで根尾の育成構想を明かした。

　圧巻29球のストライク率66％

　身長1m77の根尾が大きく見えた。
　セットから左足を上げてから揺らすようにして“ため”を作り大きなステップで投げ込む躍動感のある二段モーション。予定の3イニングをパーフェクトにまとめる圧巻の29球だった。若手中心で組まれた横浜DeNA打線を支配した。
　立ち上がりに梶原を外角ストレートで押し込みレフトへのファウルフライ、続く2年目の林にはフォークで一塁ゴロ、3番の蝦名はカーブで二塁ゴロに打ち取り3人で切り抜けた。サインにはクビをふらずに早いテンポでどんどん投げ込んでいく。
　2回も4番に座った売り出し中のルーキーの井上に厳しくインサイドから攻める。追い込んでウイニングショットのフォークでバットに空を切らせた。続く山本もストレートで押し込んでのレフトフライ。元同僚の京田もフォークを引っ掛けさせて一塁ゴロ。
　予定の最終回となる3回も、ルーキーの石上に初球フォークから高めに力のあるストレートを投じるメジャー流の上下の揺さぶりでポーンとショートフライ。続く東妻、勝又には、変化球で攻めて一人の走者も出さずにマウンドを降り、ベンチ前で7人の野手を笑顔で迎えた。
　ストレートは140キロ前半だったそうだが、打者9人に対してファーストストライクをとったのが8人。山本には3－1となってからも落ち着いてストレートをコントロールした。フォークを叩きつけてしまうクソボールが2球ほどあったが、カーブ、スライダー、カットといった変化球を低めに集めて苦労せずストライクが取れた。まるで流れ作業のようにポンポン投げ込んでいく“根尾ワールド”に横浜DeNAを引き込んだ。
　キャンプ序盤に声を聞いた際に「しっかりと狙ったボールを投げられるように、もっと精度を上げていきたい」と語っていたが、フリー打撃、シート打撃と段階を経て、対外試合初戦の内容としては最高の結果だろう。

　立浪監督は根尾を先発で大きく育てようとしている。
「私がピッチャーに転向させたからには先発を目指して欲しいんです」
　根尾は2022年のシーズン途中に立浪監督の助言で野手から投手へ転向。その年は、中継ぎで24試合、先発で1試合に投げて1ホールド、防御率3.41の結果を残した。ストライクを取ることに苦労しないタイプだったので、使い勝手のいい中継ぎに適性があるように感じたが、立浪監督は、根尾の持つポテンシャルを買い、もっと先を見ていた。