【独占】中日の立浪監督が明かす横浜DeNA戦で“3回完全”アピールした根尾の育成構想…「よほどのものを見せないと開幕ローテーは無理。ただ必ず今季先発チャンスは来る」
本格的な投手への挑戦となった昨年からは先発に転向させてキャンプは二軍で過ごした。ファームで23試合、76イニングを投げて0勝7敗、防御率3.43の成績を積み、9月18日の広島戦で1軍での先発抜擢を受けた。6点のリードをもらい、プロ初勝利の権利を持ったまま7回途中で降板したが、バトンを受けた中継ぎ陣が崩壊。結局、根尾に自責は0ながら失点4がつき、初勝利はお預けとなった。続いて9月30日の巨人戦にも先発。ドラフト同期の戸郷と投げ合い、6回を5安打1失点とゲームを作った。だが、今度は打線の援護がなく、またしても初勝利を手にすることはできなかった。
立浪監督は、その間の根尾をずっと見守ってきた。
「順調にきたが、昨年、一時期、制球難になった。ようやく試合に投げられるようになった。昨季の最後に2試合先発して、まあまあの結果を残した。まだ良かったり、悪かったりがある。150キロをバンバン超えるわけではない。まずは制球力と変化球の精度。狙っているところに投げることの確率を高めていくことでしょう。期待が大きいし、ファンから注目されている選手。とにかく焦らないこと。投手に変わってまだ2年目ですよ。本人が焦ることがよくない。今は自分のものをしっかりと作ることが大事なんです」
立浪監督は今季が6年目となる根尾を長い目で見ている。高卒で1軍出場機会の少ない選手は、通常、6年目はオフに戦力外が検討される崖っぷちのシーズンとなるが、球団サイドも投手転向のタイミングからカウントしており、まだ2年目の選手としての扱い。根尾には残された時間は十分にある。それゆえ「焦るな」と根尾にメッセージを送るのだ。
現在、中日の先発ローテー候補は、昨年開幕投手を務めた小笠原、柳、手術から復帰してきた大野、高橋宏、移籍2年目の涌井、入団2年目のメヒアと6人揃っており、そこに梅津、仲地らがアピールを続けている状況で、根尾の立ち位置は、8番手争い。3回のパーフェクトピッチングがローテー入りを濃厚にしたわけではない。かといって立浪監督は、根尾が今季先発の戦力となる可能性を捨てていない。
「今のところ先発ローテー候補はたくさんいる。ここに入るには、よほどのものを見せないと無理でしょう。かといってシーズンに入ると先発投手には、好不調や故障もあるんで、必ずチャンスはくると思う」
“よほどのものを見せないと”の奇跡の開幕ローテー入りへ向けての第一歩は踏み出した。だが、何も開幕ローテ―にこだわる必要はない。立浪監督は長いシーズンを戦うために必要な先発予備軍として根尾を計算に入れつつあるのだ。
(文責・RONSPO編集部)