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中日の立浪監督がブルペンで復活してきた大野雄のピッチングを見守る(写真・黒田史夫)
中日の立浪監督がブルペンで復活してきた大野雄のピッチングを見守る(写真・黒田史夫)

【独占】「“打倒阪神”なんておこがましい」中日の立浪監督が語った岡田阪神との“違い”と29ゲーム差敗戦の中に見つけた最下位脱出のヒント

 中日の立浪和義監督(54)独占インタビューの第3弾。優勝した阪神と最下位に沈んだ中日との差はどこにあったのか? 勝負の3年目を迎える指揮官は、昨季の阪神との戦いの中に最下位脱出のヒントをつかんでいた。

 なぜ阪神打線は四球を選べて中日打線は取れないのか

 

 優勝した阪神には29ゲーム差をつけられた。阪神との対戦成績は、9勝15敗1分。実は8勝16敗1分の横浜DeNAが最も相性の悪いチームだったのだが、竜は虎に歯が立たなかった。オフに中田翔を筆頭に大胆な補強を行い、沖縄キャンプで、「ちょっと楽しみなシーズンになる」と手応えを感じている立浪監督にズバリ「今年の標的はやはり阪神になるのか?」と問いかけた。
「それはおこがましいですよ。20ゲーム以上も開けられた相手に対して」
 立浪監督はあえて「打倒阪神」とは言わなかった。
「ただ甲子園での最初の3連戦は、正直、3連勝ができました。2戦目、3戦目と全部ひっくり返されました。ああいうところが昨年のチームの弱さです」
 立浪監督が悔やむのは5月2日からの甲子園での阪神3連戦だ。初戦を3-1で勝利したが、第2戦は7-6で迎えた9回に守護神のマルティネスが打たれて、まさかの逆転サヨナラ負け。第3戦も2-1で迎えた8回に先発の柳がつかまり逆転を許した。このイニングは四球とエラーが絡んでいた。
「去年のチームは力がなかったので、ここで3連勝していたとしても、遅かれ早かれ優勝争いからは脱落したんでしょう。ただ、あの序盤戦で阪神に3連勝できていれば最終的にあそこまでチームがこけることはなかったのかもしれません」
――阪神との差はどこにありましたか?
「近本、中野の1、2番コンビの出塁率の高さに加え、阪神打線はフォアボールを多く取りましたよね。対してウチのチームのフォアボールは少ない。フォアボールは、非常に重要な武器になりますが、じゃあ、狙って取れるかと言えば、ウチはまだ技術が追いついていません。ウチの打者は追い込まれてから1球、2球、粘ることができない。意識の差もあるかもしれないが、やっぱり技術の差なんです。追い込まれてからも、ぎりぎりまでボールを見て、難しいボールをファウルにしながら、チャンスボールを待つことができない」
 優勝した阪神の攻撃面での象徴はリーグトップの494個を奪った四球数にあった。四球で打線をつなぎ得点力に変えた。対する中日の四球数はリーグワーストの306個。ここを改善することが、チームの課題である得点力アップにつながるのではないか、との意見もあるが、四球を取ることにも技術の裏付けが必要だという。
「タイミングが取れていないとボールの見極めができません。チャンスで、あと1本(ヒットが)出れば、ウチも点が入ったという場面も多くありましたが、それが出ませんでした。なぜチャンスで打てないかというと技術がないからなんです。単純に速いストレートで攻められると打てない。これも技術なんです。ストレートを狙って仕留めにいくと変化球ですかされる。たまたま打てないんじゃない。タイムリーを打てないだけでなく、ランナーを進めることもできない。これも技術なんです」

 

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