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中日の立浪監督がブルペンで復活してきた大野雄のピッチングを見守る(写真・黒田史夫)
中日の立浪監督がブルペンで復活してきた大野雄のピッチングを見守る(写真・黒田史夫)

【独占】「“打倒阪神”なんておこがましい」中日の立浪監督が語った岡田阪神との“違い”と29ゲーム差敗戦の中に見つけた最下位脱出のヒント

 一方で、与四球の数にも差があった。阪神はリーグ最少の315個。最下位の中でもリーグで2位の防御率を誇る中日だが、与四球数は445個もあった。
「例えば大山はボールゾーンを振るバッターです。決して確率のいいバッターじゃないと思っていますが、なぜあそこまでフォアボールを与えてしまうのか」
 昨季全試合で4番を打った大山は99個もの四球を選んだリーグの四球王である。特に中日戦では打率.329、2本塁打、13打点と打たれ、チーム別では最多となる25個の四球を与えてしまっている。
「怖いんでしょうかね。バッテリーに関しては技術以上にメンタルの影響が大きいと思っています。どうせやられるなら思い切っていかないと。もちろん大山の調子がいいときは手のつけられないときもありますけどね」
 昨年はチームに“負の連鎖”が起きていた。
「ピッチャーが点を先に取られてしまうと追いつけないので窮屈なピッチングになってしまいました。特にここ数年はビジターでずっと勝てません。ビジターにいくと先に点を取られ、そこにきて打線が弱いので打ち勝てないんです。そこは数字にハッキリと出ています。もっともっとビジターで勝たないとダメなんです」
 昨年はホームでの成績が30勝39敗3分でビジターの成績が26勝43敗2分と外に出るとからっきし弱かった。チーム防御率もホームでは2.63だが、ビジターになると3.57と極端に悪くなった。ビジターでは先に点を取られ、打線が打ち勝てない。
 だが、立浪監督は阪神との戦いの中に浮上のヒントを得た。
「5月の甲子園での連敗が象徴的ですが、勝てるゲームを落とさないための守備力、そつのない走塁を浸透させる必要があるんです。ちょっとずつ、いいものを見せないと」
 ヒットを打たずにどう点を取るか。ひとつは走塁面の改善だ。
「盗塁も少ないだけでなく、走塁でとんでもないミスが起きたりもしました。秋から走塁の意識を変えようと少しずつですが取り組んでいます」
 そしてこうも言う。
「机上の計算は立たないが、昨年の先発陣の勝ち負けの数字がひっくり返る可能性はあると思っています。あれだけ打てないとピッチャーが我慢しきれず、そこに守りのミスも出ていましたからね。今年はポジションごとの競争力も出てきます。手応えはあるんです」
 昨季は開幕投手を務めた小笠原が7勝12敗、柳4勝11敗、涌井5勝13敗、高橋宏7勝11敗とローテ―の4枚看板がいずれも借金を作った。だが、立浪監督は チームには、これらの勝ち負けが逆転するポテンシャルを秘めていると考えている。
(次回に続く)
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

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