中国メディアはバスケット日本代表に88年ぶりに敗れた母国の屈辱を審判に八つ当たり…「ホーバスに学べ」の評価も
別の中国メディア『新浪体育』は試合後の記者会見で、セルビア出身のジョルジェヴィッチHCと一部中国メディアが一触即発の状態になったと報じている。
「日本戦が中国男子代表チームの指揮を執る最後の試合になるのか、と問われたジョルジェヴィッチは『その質問には答えたくない。私に対してあまりにも失礼ではないか。実際問題として、私はまだこの仕事に取り組んでいる』と語気を荒げた」
2022年秋に就任したジョルジェヴィッチHCのもと、中国は昨夏のW杯において32カ国中で29位に終わり、アジア勢の最上位国に与えられるパリ五輪出場権を逃した。昨秋に杭州で開催されたアジア大会も期待に応えたとは言い難く、今年8月で満了を迎える契約が更新されない可能性が高いとアジア・カップ1次予選前に報じられていた。
去就が注目されたジョルジェヴィッチHCは、22日のモンゴル代表戦を控えた記者会見で「試合に負ければすべてが私の責任であり、私を批判してほしい」と語っていた。これを受けて、アクセス数を急造させている新興の中国メディア『澎湃新聞』は「いまこそ、ジョルジェヴィッチが責任を取るべきなのではないか」と報じている。
「中国バスケットボール協会は正式に認めていないが、一部報道では今回の日本戦の結果によって、ジョルジェヴィッチの去就が最終的に決まると報じられていた。ならば、後任にはどのような指導者が求められるのか。中国男子代表を負かしたばかりの日本男子代表のヘッドコーチ、トム・ホーバスは学ぶ価値のある指導者かもしれない」
立場が逆転しつつある現実に目を向けるべきだと訴えた同メディアは、日本国内における指導歴が長く、日本語でもコミュニケーションが取れ、東京五輪では日本女子代表を銀メダルに導いた実績を持つホーバスHCの経歴を踏まえながら、さらにこう続けている。
「指導者としての経歴、明確で現代的な戦術及び哲学、そして日本を含めたアジアのバスケットボール事情を十分に理解したホーバス氏は、日本バスケットボールの発展を一歩ずつ推し進める存在になっている。ジョルジェヴィッチの現状から判断すれば、アジアのバスケットボール事情を理解しているヘッドコーチが最も適任かもしれない」
東京五輪で日本女子代表に歴史的な銀メダルをもたらしたホーバス氏は、日本男子代表のヘッドコーチに転身。初陣となったW杯アジア予選では中国に63-79、73-106の大差で連敗している。これらも18連敗の一部に刻まれたなかで、2年以上の時間をへて88年に及んだ負の歴史に終止符が打たれた。
アジア・カップ1次予選のグループCには日本と中国に加えてモンゴル、グアムが所属し、22日の初戦でもグアムに77-56で勝利した日本が首位に立っている。