今日国立決戦!北朝鮮監督が公式会見で「NGワード」に激怒…要注意人物として長谷川唯の名前をあげた理由とは?
リ・ユイル監督は、第2戦へ向けて積んできた準備をこう説明している。
「当然ながら第1戦を終えて、試合内容を分析している。やはりわれわれの方でも攻守にわたって足りなかった部分、あるいはミスを犯していた部分が発見された。これらをしっかりと修正して、明日の試合では最大限の力を発揮したい」
指揮官はその上で、警戒すべき日本の選手として長谷川の名前をあげた。
「日本には大変素晴らしい選手がそろっている。ヨーロッパを含めた世界の舞台で活躍している選手のなかで、私は長谷川選手の能力が非常に高いと思っている」
日本のメディアから伝え聞いた長谷川は「そう言われるのはいいこと」と、自分にマークが集中するのは望むところとばかりに言葉を紡いだ。
「自分がいいプレーをするのも大事ですけど、相手選手がたくさん寄ってくれば、絶対にどこかが空いてくる。そこをうまく使いながら、自分が直接関わらなくても、他の味方がプレーしやすい状況を生み出せれば。第1戦はチームとしても個人としても何もできなかったので、もっとインパクトのあるプレーを見せられたら、と思っています」
北朝鮮は第1戦翌日の25日夜にさっそく来日した。対照的に日本は、30度を超える酷暑のもとでプレーした影響を考慮。ジッダでの休養を優先させ、一夜明けた25日には軽いトレーニングも行った上で26日正午すぎに帰国している。
すでに駆け引きが始まっているなかで、リ・ユイル監督は羽田空港で大勢の在日朝鮮人に「マンセー(万歳)」の大声で出迎えられ、国立競技場のアウェイゴール裏のチケット約3000枚が早々に完売している状況を喜んだ。ちなみになでしこジャパンのゴール裏は、前日27日夕方の段階でようやく2000枚を超えた状況だ。
「チームには若い選手も多く、もちろん私を含めて、日本に来るのが初めてという選手がほとんどです。非常に不安な気持ちもあったなかで、同胞たちが空港で熱烈に歓迎してくれたのは本当に勇気づけられた。明日も同胞のみなさんが大挙して応援に駆けつけてくださると聞いているので、アウェイではなくホームで戦えるような気持ちになれる。人間は誰でも自分を支持してくれて、応援をしてくれる人たちが多いほど力を出せる。明日は最高の結果を出したい」
通算対戦成績で7勝6分け12敗と、なでしこがアジア勢で唯一、負け越している難敵が北朝鮮となる。さらに最新のFIFA女子ランキングでは、アジア最上位の8位のなでしこに対して、北朝鮮も9位でピタリと追走。試合結果は予断を許さない。
なでしこが勝てば2大会連続6度目、北朝鮮が勝てば3大会ぶり3度目の五輪出場が決まる大一番。90分間を終えて同点の場合はそのまま延長戦へ、それでも決着がつかなければPK戦が行われる。
(文責・藤江直人/スポーツライター)