阪神の岡田監督が温める“秘蔵っ子”門別啓人の巨人戦デビューの“マル秘プラン”…札幌の凱旋登板で新庄日ハムを相手に躍動
岡田監督の「門別は1年間の先発としての戦力になる」という評価は揺るがない。沖縄キャンプの途中に岡田監督は「門別の開幕ローテーはない。そのポジションはそんな簡単なもんじゃない」と門別の開幕ローテー入りを否定した。
シーズンのローテーを任すとすれば、最低20試合に先発し、130イニングは投げる必要がある。2年目でまだ体力も未知数の門別に、その役割を任せることに指揮官が不安を覚えるのも当然で、せっかくの大器を故障で潰しては元も子もない。しかも、村上、伊藤将、大竹、才木、西勇、青柳と6人の先発が揃っている“投手王国”。門別に頼らなくても困らない。
だが、岡田監督には、長いシーズンを戦うためには、調子の波や故障などを考慮して計8、9人の先発候補が必要だとの考えがあり、この6人に加えて、門別をその7人目の先発候補として計算に入れている。
そして密かに温めているプランがある。
開幕ローテーではなくスポットの先発として門別を巨人との開幕カードに抜擢するプランだ。現在、6人の先発候補のうち、1月に肩のガングリオンの除去手術を受けた大竹の調整が遅れており、青柳、西勇の2人もキャンプ途中で若干ペースダウンした。開幕には十分に間に会う予定だが、長いシーズンを考えると無理をさせる必要はない。もし3月30、31日の巨人との第2、第3戦に門別を先発させれば、本来、そこに登板する予定だった先発投手の初戦は、4月6、7日のヤクルト戦(神宮)まで約1週間遅らせることができる。あくまでも誰かの調整が間に合わないという不測の事態に備えてのスクランブルとなるが、初ものに弱く、左打者の多い巨人戦に門別をスポットの先発としてぶつけるのは戦略としても面白い。
昨年は最優秀防御率タイトルを獲得してMVPにも選ばれた村上も、開幕はローテーから外れていた。しかし、伊藤の調整が間に合わず、秋山を先発に立てた開幕第2戦の横浜DeNA戦で第2先発としてスタンバイ。そこでの1イニングの中継ぎ登板の好投がきっかけとなり、4月12日の巨人戦に先発抜擢され、7回をパーフェクトに抑える鮮烈のデビューを飾り、ローテーの座を勝ち取った。門別にも村上と同じシンデレラボーイパターンが十分に考えられる。打者の手元でボールが伸びてきて映像では判別できない独特の球質を持っている門別を策士の岡田監督がオープン戦でセのチームに見せないのも頭のどこかに鮮烈のデビューを思い描いているからかもしれない。門別の次回登板は、12、13日にZOZOマリンで行われる千葉ロッテ戦が予定されているという。
(文責・RONSPO編集部)