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策士の阪神の岡田監督は巨人戦の開幕投手に誰を指名するのか?(写真・黒田史夫)
策士の阪神の岡田監督は巨人戦の開幕投手に誰を指名するのか?(写真・黒田史夫)

阪神の岡田監督は誰を巨人戦の開幕投手に指名するのか…村上か、青柳か、才木か…「火曜日エース論」から見えてくる戦略

 昨季の阪神先発陣の完投は、伊藤将司の3試合がトップで続いて村上、西勇輝が2試合、才木浩人、大竹耕太郎、西純矢が1試合ずつ。1試合平均のイニング数で見るとトップが伊藤の6.98、2位が村上の6.56、3位が大竹の6.26、4位が才木の6.24、次いで西勇の6.01、青柳晃洋の5.57となっている。村上、伊藤の2人は中継ぎの負担を減らすという役割を見事に果たした。
 また開幕投手は、当然、相手のエースとのマッチアップとなり、シーズンを通してエース対決が続くため岡田監督には「開幕投手はあんまり勝てんよ」との考えもある。昨季は村上が10勝6敗、大竹が12勝2敗、伊藤が10勝5敗と10勝トリオが大きく貯金を稼いだが、3人は共に開幕時点では、表のローテーにはなかった名前。横浜DeNAとの開幕投手に指名された青柳は、途中、不調によるファーム調整などの期間もあり、8勝6敗の成績に終わっている。
 中日監督時代の落合博満氏が2004年の開幕投手に3年間で1試合も投げていない川崎憲次郎を抜擢し、エース川上憲伸の登板日をズラしたことで、結局、川上が17勝7敗で、優勝に貢献したという極端な例があるが、長いシーズンを見据えた戦略として、金曜日の巨人との開幕投手には、裏ローテーの柱となる意外な人物が抜擢されても不思議ではない。
 岡田監督は開幕戦をあくまでも143分の1試合だと判断してシーズンの戦いを優先し「火曜日エース論」を採用するのか。それとも開幕の巨人戦を最重要視して定石通りに表ローテーからスタートさせるのか。
「火曜日エース論」を採用するのであれば、開幕2つ目のカードとなる4月2日の京セラドーム大阪での横浜DeNA戦先発には、昨季の最優秀防御率タイトル&MVPの村上が指名される可能性が高いだろう。その場合、巨人との開幕投手は、2年連続となる青柳、初の抜擢となる才木らが有力候補となる。
 逆に表ローテーで勝負するのであれば、村上が最有力候補だ。昨年4月12日の巨人戦では7回までパーフェクトに抑えた。
「力が拮抗している」という岡田監督の言葉からすれば、表も裏もないほどの実力派の先発が6人揃っている「投手王国」ゆえの悩みかもしれないが、果たして指揮官は、どんな決断を下すのか。心配なのは雨が予想される天候。順調に消化できれば甲子園でのオープン戦5試合で開幕投手の行方が見えてくるはずなのだが…。

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