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井上尚弥と“悪童”ルイス・ネリの5.6東京ドーム決戦が正式発表された(写真・山口裕朗)
井上尚弥と“悪童”ルイス・ネリの5.6東京ドーム決戦が正式発表された(写真・山口裕朗)

井上尚弥と5.6東京ドームで戦う“悪童”ネリは本当に優等生に改心したのか?…山中慎介氏と“歴史的和解”後にインチキで勝った「あの試合はイージーだった」との問題発言を繰り返す

 実は、ネリは、1月に海外メディアに対して「山中戦はイージーだった」との問題発言をしていた。山中氏との和解が終わった後に、もう一度、その発言の真偽を確認した。
――あなたは本当に「山中戦はイージーだった」と発言したのか?
「はい。そうだ。あの試合はイージーだった。何でそう感じたかわからないが、キャリアの中で一番厳しい試合になると思っていたが、結果はイージーだった。12ラウンド、フルに戦って打たれた状態で終わると思っていた。勝つ、負けるじゃなくてね」
――あの試合は、あなたはドーピング疑惑と体重超過の失態を犯して戦ったんだよ。それをイージーと発言することに日本のファンは怒っている。
 そう突っ込むと「それは…」と困ったように一瞬、絶句したが、「私の発言はすべて本当のことだ。申し訳ないが…」と答え、最後まで発言は撤回しなかった。もう優等生の化けの皮がはがれはじめた。
 会見は優等生発言で乗り切ったが、東京ドームが大ブーイングの嵐に包まれることは容易に予想される。そのことを聞かれるとプライドをのぞかせた。
「リングに上がれば観客は消えるんだ。マジックみたいなもの。リングは私とライバルの2人だけになる。日本で試合する方がやりやすい。メキシコだと、家族や支援者が見ているのでナーバスになるが、ここでは、その必要がない」
 さらにモンスターを「輝かしいキャリアを持ちスピードがあってパワフルでいい選手。才能があり、たくさんの長所をもっている」と評した上で、こう豪語した。
「リスペクトはしているが、恐れてはいない。12年のキャリアで最も大事な試合。いい試合をしたい。最高のパフォーマンスをだしてメキシコ人ボクサーの中でも最強であることを印象づけたい」
 WBCはネリを指名挑戦者として認定するにあたりJBCと協同で再発防止策として事前計量(30日前、15日前、7日前)の厳格運用及びVADA(ボランティア・アンチドーピング機構)による抜き打ちドーピング検査とドラッグテストを義務づけている。2日前に来日したネリは、日本で抜き打ちドーピング検査と体重チェックを受けたという。
 大橋会長も「反省していましたね」と、その改心ぶりを認めながらも、厳格な姿勢で臨むことを明かした。
「(1ポンドでもオーバーしたら?)やりません。絶対に。公言しておきます、ドーピングに関してもそう。これだけ注目されている試合。(ファイトマネーの支払わない?)。うん、そう。当然ですよね」
 山中氏は、当日の体重に制限を設けて試合を実施したが、井上サイドに、その考えはない。体重超過、ドーピング違反が発覚した時点で試合は中止。当然、ファイトマネーも支払わない。また詳細は明かさなかったが、ネリがキャンセルになった場合に備えて元IBF世界同級王者でWBOアジアパシフィック同級王者のTJ・ドヘニー(豪州)らを候補にリザーブマッチを用意することも検討されている。

 

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