「大きな罪悪感がある」なぜレアル・ソシエダの久保建英はPSGのエムバペに歯が立たなかったのか…1-4完敗で欧州CL敗退
グループステージ突破の原動力になった久保は第1戦に続いて、主戦場の右ウイングで先発フル出場した。前半28分に対面の左サイドバック、ヌーノ・メンデス(21)のイエローカードを誘発し、同アディショナルタイムには右サイドからカットインする得意の形から左足を一閃。ファーポストをかすめるミドルシュートを放った。
終了間際に一矢を報いたメリノのゴールも、ペナルティーエリアの右外でボールを収めた久保が、マイナス方向へ送った絶妙のパスが起点になった。それでも地元メディアの『El Desmarque』は久保に10点満点中で「5」をつけた上でこう評した。
「前半終了間際に放ったシュートがわずかに枠を外れるなど、後半15分にアンデル・バレネチェアが投入されるまでは、チームに最も影響を与える存在だった。しかし、ボール扱いで正確さを欠く場面もあり、タケにとって最高の夜ではなかった」
やや厳しい評価となったのは、期待の裏返しでもある。期待とは、要はエムバペのようにチームを勝たせるエースにかけられる。レベルが高くなるほど個の力が明暗を分ける。エムバペと久保とを比べるのは酷かもしれないが、2試合を通じて是が非でもゴールがほしい場面でエースが決めたパリに軍配が上がったのは紛れもない事実だった。
同日には鎌田が所属するラツィオも、敵地でブンデスリーガの名門バイエルン・ミュンヘンに0-3で完敗。第1戦を1-0で制しながら、2戦合計で1-3の逆転負けを喫して敗退した。鎌田は3点差をつけられた後半35分から途中出場している。
日本人選手が所属するクラブで勝ち残っているのは、冨安を擁するアーセナルだけ。プレミアリーグで首位争いを演じるアーセナルも、チャンピオンズリーグではラウンド16第1戦でポルトに敗れ、ホームで行われる12日の第2戦に逆転をかける。
現行制度となったチャンピオンズリーグでは2021-22シーズンに、MF南野拓実(29、現モナコ)が所属するリバプールが準優勝している。しかし、スタッド・ド・フランスで行われたレアル・マドリードとの決勝で、南野はピッチに立っていない。
レギュラーを務めた日本人選手によるチャンピオンズリーグの最高位は、移籍1年目の内田篤人が右サイドバックでプレーした2010-11シーズンのシャルケのベスト4。今シーズンもレベルの高さを示しながら、世界最高峰の戦いは佳境を迎えようとしている。