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大橋会長が井上尚弥vsネリの東京ドーム決戦のチケットの詳細を発表した(写真・山口裕朗)
大橋会長が井上尚弥vsネリの東京ドーム決戦のチケットの詳細を発表した(写真・山口裕朗)

なぜ大橋会長は井上尚弥の5.6東京ドームのネリ戦で100万円を超える高額チケットを売らなかったのか…最高額が22万円で最安値が1万1000円の2階席

 プロボクシングの大橋ジムが7日、東京ドームで5月6日に開催されるスーパーバンタム級の4団体統一王者、井上尚弥(30、大橋)と“悪童”ルイス・ネリ(29、メキシコ)の防衛戦をメインとする4大世界戦のチケット種別と価格を発表した。 最高額がSRS席の22万円で最安値が2階指定席の1万1000円。抽選受け付けは9日から開始される予定だが、SNSやネット上では「安い」「良心的」などの声が多数を占めた。34年ぶりの東京ドーム開催と4大世界戦のプレミア感を考えると、100万円を超える高額チケットが売り出されても不思議ではなかった。なぜ大橋秀行会長(59)はチケットの価格設定を抑えたのか。

 34年前のタイソン戦は15万円が最高額

 

 井上尚弥が「まだ想像はできない。とてつもない興行だなと」と語ったネリとの東京ドーム決戦のチケットの詳細が発表された。
 最高額はSRS席で22万円。続いて、RS席16万5000円、SS席13万7500円、S席11万円、A席9万9000円、B席7万7000円、スタンドの内野指定下段席3万3000円、内野指定上段席2万2000円、最安値は2階指定席で1万1000円となっている。9日に抽選受け付けがスタート。これ以外の席についても9日に大橋ジムの公式サイトに掲載される予定だ。
 SNSやネット上のファンの反応の大多数が「安く感じる」「良心的」というものだった。
「2階席でも1万1000円か。さすがの値段やけど見に行く価値がある」
「22万円は安過ぎるだろ。 一般人でも買える額じゃん」
「なんて良心的なんだ」
「意外にリーズナブルと感じるのは私だけでしょうか」
「この長いドラマの完結編と考えると高くはないのかもしれない。これは格安」
 中には「もっと安い席があっても良かったのでは」という声もあったが、それは少数派。バンタム級の4団体を統一した記念すべき2022年12月のポール・バトラー(英国)戦、スーパーバンタム級に挑戦した昨年7月のスティーブン・フルトン(米国)戦、2階級4団体統一を果たしたマーロン・タパレス(フィリピン)戦と3試合続けて、すべて有明アリーナでの開催となり、アリーナのチケット最高額は22万円だったが今回も値上げはしなかった。
 2022年6月に東京ドームで開催された那須川天心と武尊のビッグマッチ「THE MATCH」は、何から何まで規格外で、最前列のチケットの値段は、特典付きで300万円に設定された。「VVIP席」の2列目は200万円、同3列目が100万円(いずれも特典付き)。スポンサー筋や富裕層などを対象にしたNBAなどで見られるセレブリティシートだったわけだが、その高額チケットから先に完売した。
 今回、関係者からは「300万円の席を売ってはどうか」の打診もあったそうだが、大橋会長は良識を守った。
 1990年2月の当時のヘビー級3団体統一王者マイク・タイソン(米国)が伏兵のジェームス“バスター”ダグラス(米国)にKOで敗れるという世紀の大番狂わせ以来、34年ぶりの東京ドームでのボクシング興行というプレミア感に加えて、相手が“悪童”ネリ。さらにアンダーカードには3つの世界戦が組まれた。
 2月24日に元IBF世界スーパーフライ級王者のジェルウィン・アンカハス(フィリピン)との激闘をKOで決着したばかりの弟で、WBA世界バンタム級王者の井上拓真(大橋)が同級1位の石田匠(井岡)と2度目の防衛戦を行い、WBA世界フライ級王者のユーリ阿久井政悟(倉敷守安)がV1戦で同級3位でOPBF東洋太平洋同級王者の桑原拓(大橋)の挑戦を受け、元K-1王者の武居由樹(大橋)がWBO世界バンタム級王者のジェイソン・マロニー(豪州)に初挑戦する。これらの付加価値を考えると、100万円を超える高額チケットが販売されても不思議ではなかった。

 

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