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大橋ジムに入門した坂井優太。ポスト井上尚弥の期待がかかる
大橋ジムに入門した坂井優太。ポスト井上尚弥の期待がかかる

“ポスト”井上尚弥への期待!アマ6冠&世界ユース金の“超逸材”坂井優太が大橋ジムとプロ契約

 今回、担当トレーナーとなったロンドン五輪代表の鈴木康弘氏は「距離感、タイミング、スピードは何も教えることないくらい完璧。世界王者になれるようにサポートしたい」と絶賛した。ただ、まだ高校生。線は細く、プロでやるにはパワーアップが必要になる。大橋会長も「一発の強さ、パワーはまだまだだが、打ち方を見ていると、今は130キロのストレートが鍛えれば160キロを投げられる素質がある。この期間でも伸びている印象ある。楽しみな選手」と長い目で見ている。
 坂井本人が、理想にあげるのは、悪魔王子と恐れられたフェザー級の3団体統一王者のナジーム・ハメド(英国)と、大橋会長が現役時代に辛酸を舐めさせられた軽量級の“レジェンド”リカルド・ロペス(メキシコ)。いずれも天才型だ。ロペスのアッパーは真似して取り入れているという。

 ボクシングを始めたのは小学校1年。学校で嫌がらせを受けていた息子の姿を見かねた父親が、伝説のボクシング漫画「はじめの一歩」のアニメ版を薦めたのがきっかけだった。
「幕之内一歩が同じようなこと(いじめ)をされていて、そこからプロのスター選手に駆け上っていくストーリー。そうなったらいいなと見せた。優太は平和主義者なんですがはまった。キャッチボールをする感覚で公園で練習を始めたんです」
 伸克氏は、長崎の高校から、地方大学、社会人と投手として本格的な野球をやってきたスポーツマンだが、ボクシング経験はまったくない。ユーチューブなどで独学で学び、ミットとグローブを買ってきたその日に坂井はいてもたってもいられずに「夜中だったんですが、公園で30分間、ミット打ちをしました」という。
「野球は全然ダメで素質がなかった。野球は、大谷翔平選手を見てわかるように体が大きくないと難しい。でもボクシングは階級に分かれている。ボクシングにも最初は素質は感じなかったんですが…」
 2キロを走らせるととんでもなく速い、その足に伸克氏が目をつけ、ステップワークとスピードのボクシングを叩き込み、メキメキと腕をあげた。中学生の頃から、西宮香風高の練習にも参加し、高校では1年から6冠である。
 すでに昨年の10月から2分×3ラウンドだった高校のボクシングスタイルから3分×6ラウンドのプロ仕様への変更に取り組んでいるという。
 デビューは6月の予定。B級の6回戦となる。通常体重は58キロでスーパーフライ級からバンタム級を主戦場にしていく方向。“ポスト”井上尚弥として世界をターゲットにできる階級だ。
 伸克氏は「最初の5試合は、しっかりと打たせず打つボクシングを徹底していきたい。その中で長所や気づかない点が出てくると思う。中期の目標は、なんらかのタイトル。急がずに、しっかりと勝っていき愛されるボクサーを構築していきたい」との目標を立てた。
ーープロで成功するボクサーとは?
「実力が一番。ファンに好かれる選手。実力も人気もあるボクサー」
 そう答えた大物ルーキー。プロボクシングの世界に約束された未来などないが、真摯な努力を続けるボクサーに輝かしい未来は開ける。“ポスト”モンスターとしての期待が大きい坂井のデビュー戦が待ち遠しい。
 (文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

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