井上尚弥が“仮想モロニー”でサポートした元K-1王者の武居由樹は5.6東京ドームで世界王者になれるのか…夢見る那須川天心との頂上対決
八重樫トレーナーも「いろんな意見があると思う。このタイミングでこの舞台はなかなかない。最高のタイミングでやれる。不利予想も世界挑戦とはそういうもの。チャンスは満を持してこない。準備ができていないときにチャンスをつかむからチャンス。そういう意味で武居は持っている。この2か月の成長次第。彼を信じている」と愛弟子の世界獲りの全面バックアップを約束した。
武居は勝利パターンをこうイメージした。
「自分が倒すか、判定でもっていかれるか、そういう試合になる。一発を当てて倒したい。当てるまでの過程をすり合わせていきたい」
八重樫トレーナーも「技術戦で戦うのではなく武居の良さを出して勝てる試合にしたい。戦術などはあるが、一方的にポイントアウトされるか、武居が倒して勝つかになる」と表現した。
ジャンピングフックやリーチを生かしたボディ攻撃など、元K-1戦士特有の通常のボクサーにはないタイミングや角度で飛んでくるパンチにモロニーが対応できずに戸惑っているうちにキャンバスに沈めるしかない。理想は早期決着だ。もしそこで倒せなければ、モロニーは、武居の特徴を読み切り対応してくるだろう。
そうなった時にどうする?
もちろん八重樫トレーナーも想定している。
「対応される可能性高い。でも武居のボクシングIQは高い。対応された時の対応。新しい武居が出るかどうか」
武居の世界戦リングでの成長にかけるしかない。
「大舞台で強敵と試合をするとき、自分でイメージしない動きができたり、試練を乗り越えてこれた。当日までの成長と、当日の成長。自分に期待したい。バチッと倒して勝つ」
武居も自らの潜在能力にかけている。
すでに井上からは最高のサポートを受けた。3月1日に韓国で大橋ジム主催で行われた「フェニックスバトル・ソウル」の興行に応援にいった際に、現地のジムで井上と3、4ラウンドのマススパーを行った。井上は、仮想モロニーになりきったモノマネで対峙して感覚をつかませてくれたというのだ。
「モロニーっぽかった。やっぱり尚弥さんは凄い。モノマネしても強かった」
また運や勝負強さを持っているのが武居の特徴でもある。