• HOME
  • 記事
  • 格闘技
  • 井上尚弥が“仮想モロニー”でサポートした元K-1王者の武居由樹は5.6東京ドームで世界王者になれるのか…夢見る那須川天心との頂上対決
世界初挑戦が決まった元K-1王者の武居(中央)が大橋会長の誕生日にネクタイを贈る。左は担当の“元激闘王”八重樫トレーナー
世界初挑戦が決まった元K-1王者の武居(中央)が大橋会長の誕生日にネクタイを贈る。左は担当の“元激闘王”八重樫トレーナー

井上尚弥が“仮想モロニー”でサポートした元K-1王者の武居由樹は5.6東京ドームで世界王者になれるのか…夢見る那須川天心との頂上対決

 大橋会長も武居の持っている星の話をした。井上とモロニーの対戦が決まった頃に武居のボクシング転向話が持ち上がり、その試合に井上が勝利した後に本決まりになったという。「モロニーには縁があるんだよね」。しかも会見を行ったこの日は、大橋会長の59歳の誕生日。武居は、エルメスのパープルのネクタイをプレゼントした。そして試合のある5月6日は、武居が、キック時代に住み込みで所属し、父と慕う「パワーオブドリーム」の古川誠一会長の誕生日。「しっかり勝って最高の親孝行をしたい」と言う。
 何か因縁めいてはいる。
 東京ドームのリングに上がった経験はない。だが、2022年6月に東京ドームで行われた那須川天心対武尊の「THE MATCH」はリングサイドで見た。
「あそこに立てなかったのが悔しくて。ドームで試合をしたいと思っていた。このタイミングでドームでできるのはうれしい。ただお客さんの量と広さにビックリした、パワーをもらえると思う」
 バンタム級は、WBAがジムメイトの井上拓真、WBCが中谷、そしてIBFのロドリゲスには、武居の世界戦の2日前に西田が挑むなど、日本人が独占する可能性のある階級だが、武居にはベルトを獲得した先に抱く夢がある。同じキック出身の那須川天心との頂上決戦である。2人はキック時代にアマチュアキックルールで一度対戦したことがあるが1-1のドローだった。
「どうしても彼とは比べられる。刺激になる。自分が勝って、彼も勝ってきて、上りつめた先に(対戦が)あるのかな。お互いが勝ち続ければ、ぶつかれる。お互いが頑張らないといけない」
 互いに世界のベルトを巻いてからの統一戦が理想だろう。将来の天心戦について「ノーコメント」とした大橋会長も、2人の対戦は、もっと先、互いにさらにステータスを上げて機が熟してからという考え方。もしタイミングが合わなければ、天心が先に世界王者となった武居のベルトに挑戦してくる可能性もある。だが、その夢を実現するためにも「まずここを勝たないと何も言えない」のである。
 K-1時代に獲得したベルトのレプリカは部屋に飾ってある。戦う相手がいなくなり、モチベーションが下がったとき、古川会長からも「ボクシングをやれよ」と助言をもらい高校時代にアマでやっていたボクシング転向という新しい道が切り拓かれた。元キックボクサーがボクシングの世界王者になるのは、前人未到の快挙。
「誰もやったことがないことをやってみたかった。K-1のベルトはK-1のベルト。ボクシングのベルトはボクシングのベルト。どちらも凄い。でもK-1で戦えたからこそ今の自分がある。そこに感謝して(K-1のプライドを)背負いながらボクシングのベルトに挑戦したい」
 K-1王者のベルトとWBOのベルトを並べて飾りたいという。
 武居は来週末からは鹿島での走り込み合宿に入る予定を組んでいる。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

関連記事一覧