SNSで賛否!性加害疑惑問題で係争中の伊東純也を北朝鮮戦メンバーから「落ち着いてプレーする環境にならないだろう」との理由で外した森保監督の判断は正しかったのか?
決定が二転三転したドタバタ劇を謝罪した田嶋会長は、ステイクホルダーやスポンサーの声も参考にしたのか、という問いに「ゼロではない」と実質的に認めた。
「こういう事件が起きて、お互いにいろいろな情報を出すなかでそのあたりのことも考慮して、パートナーのみなさんへの配慮もしたのも事実です」
さらに、3月の北朝鮮戦を含めた伊東の代表活動には「今後、これがどのように展開するのか、にもよるので、しっかり見極めていきたい」と言及。常連である伊東がチームにいる状況が生じさせるマイナス要素の方が大きいのか、という問いにはこう明言した。
「はい。そういうことになります」
JFAのトップが示した判断が、いま現在も踏襲されていると見ていい。
刑事告訴は双方ともに受理され、現在は大阪府警による捜査が行われている。14日までに当局の具体的な動きは報告されていない。さらに伊東側は先月19日に、2億円を超える損害賠償金を求めて女性2人を大阪地裁へ訴える民事訴訟を起こしている。
つまり伊東を選外とした今回の発表は、それが正しいのかどうかではなく、いまだに2月2日のJFA判断を覆すには至っていない状況を意味する。週刊誌報道を含めた疑惑段階で、社会的に除外されかねない日本の風潮とも密接に関係していると言っていい。
対照的にスタッド・ランスは、推定無罪の考え方に沿って行動している。チームは伊東の件が報じられた翌2月1日の段階で、まず次のような声明を発表した。
「いま現在に至るまで、私たちは選手(伊東)との連帯を示しています。同時に今後は真相の解明につながる具体的な証拠を待ち望むとともに、いかなる法的な進展に対しても細心の注意を払いながら見守っていきます」
2月6日の伊東のチーム全体練習合流も、同11日のロリアン戦以降の先発定着も、すべてこの方針が貫かれている。さらにフランスのスポーツ紙の『L’EQUIPE』は、近代法の基本原則である「何人も有罪と宣告されるまでは無罪と推定される」を遵守すると明言した、クラブのジャン=ピエール・カイヨ会長のコメントを伝えている。
「私としては推定無罪の原則に立ちたい。私には彼を信じない理由はない」
同メディアは今月9日にも「この一件は日出ずる国を燃え上がらせ、分裂させる」とした記事を掲載。そのなかで代理人弁護士を介した伊東のコメントも引用した。
「僕は最初から巻き込まれたと思っています。自分に非がないのはわかっているので、代表を外されたとき、正直、納得できませんでした。嫌疑がなかったとしっかりと証明し、今後もみなさんに応援してもらえるよう頑張ります」