「泣いてもあかん」亀田興毅氏「3150ファイト」の和毅“負けたら引退マッチ”中止と相手変更など一連の“契約ドタバタ劇”にJBCが不信を抱き調査に乗り出す
「(挑戦者決定戦になることの)事実上の内諾を受けた上で進めていたが、あのような発表になった。晴天の霹靂」と興毅氏。契約時点での1位は阿部麗也(KG大和)で、今月2日に米国で王者のルイス・アルベルト・ロペス(メキシコ)に8回TKO負けしたため、同級1位が空位となり、IBFはただちにドラミニと同級3位のアーノルド・ケガイ(ウクライナ)に挑戦者決定戦を指令した。
「ドラミニの選択に委ねられ最終的にそっちを選んだ」と興毅氏は説明するが、IBFの厳格なシステムを考えると2位と5位の挑戦者決定戦はありえないし、付帯条件無しにシンプルにドラミニとの再戦契約を結んでおくべきだっただろう。「事実上の内諾とは、どういった形だったのか?」と質問したが、「代理人のやりとり。亀田興毅の力のなさ、最終的な脇の甘さが出た。これ以上言えることはない。団体(IBF)が決めたことがすべて」と答えるにとどまり、その交渉経緯なども明かさなかった。本来であれば先に契約をしていた和毅とドラミニの勝者とケガイが対戦するのが筋だが、ドラミニとの契約が正式に成立していなかったのあれば、クレームのつけようもない。
和毅は2位決定戦として開催された昨年10月のドラミニ戦で1-2の僅差判定負け。後半は和毅のぺースだったが、序盤は消極的でどちらにも決定打のない判別の難しいラウンドの多くを相手に持っていかれた。戦略さえ間違えなければ負ける相手ではないが「負ければ引退」の覚悟を決めて、父である史郎トレーナーとタッグを組み、超攻撃的スタイルへの変貌に取り組んできた。しかも、すでに中止が濃厚だった11日には、公開練習まで実施していた、それだけにドラミニ戦の中止はショックは大きく代替選手との試合への気持ちの切り替えも簡単ではないだろう。
興毅氏は「親父と和毅にも連絡を入れて“申し訳ない”という話をさせていただいた。和毅は“いい試合をする”と言って最大の目標に向かっている」と説明した。
相手が変わって「負けたら引退」の公約はどうなるのか?という質問に対しては「そこは和毅本人にまたこういう場があれば聞いてもらいたい。僕の現役時代もそう。負けたら引退と、崖っぷちに追い込んでやっている。今回、キャッチコピーが負けたら引退となった。和毅の思いをリング上で感じ取ってもらえれば」と返した。苦しい言い訳だろう。
また今回の興行のABEMAによる配信は「3150ファイト」としては8回目の開催にして初の有料配信「PPV」で行われる予定だったが、PPVは中止、無料配信に切り替わることになった。このファンへの誠意は評価はできる。