「泣いてもあかん」亀田興毅氏「3150ファイト」の和毅“負けたら引退マッチ”中止と相手変更など一連の“契約ドタバタ劇”にJBCが不信を抱き調査に乗り出す
大幅なカード変更となったため興毅氏が「売る商品が変わってしまったから」とABEMA側に無料配信への変更を申し入れたという。
ABEMAの北野雄司エグゼクティブ・プロデューサーは「ABEMAとしては収益面で厳しくなるが、興毅氏にあれだけ頼まれれば断れない」と受け入れ、スポンサー収入だけとなる無料放送に切り替えることを承諾した。格闘技のライブPPVは、ほぼ当日に売れるが、前売りは好調で過去のデータから試算すると、かなりの購買が予想されたという。すでに購入者への払い戻しへ対応はスタート。また観戦チケットに関しても同様に払い戻しに応じる方針。
ただ一連のドタバタ劇は、プロボクシング界の信用を失墜させる出来事であり、この日の会見でも、ハッキリした理由説明を行わないなど、疑念を抱く点が数多くあるため、JBCは看過できないとの判断を下して調査に乗り出すことになった。
ドラミニ側との契約書、マッチルームとの契約書などを提出させ、当初の契約の有効性を検証し、今回のトラブルの理由などの説明を求めるという。
JBCルールでは、プロモーターライセンス所持者には、試合30日前にボクサー及びマネージャーのサインのある契約書の提出を義務づけており、「試合をプロモートするに足りる能力を有する者」との規定があり、契約についても「口頭による契約又は同意はすべて公式には効力を有しない」とある。また倫理規程の2条に「ライセンス所持者は常に品位を高め、ボクシング界の信頼を維持するように努めなければならない」ともある。調査の結果いかんでは、プロモーターライセンスを有する興毅氏へのペナルティも検討されることになる。
今回の3150ファイトでは、WBC世界ミニマム級王者、重岡優大とIBF同級王者、銀次朗(ワタナベ)の重岡兄弟のダブル世界戦と、日本ヘビー級王者である但馬ミツロ(KWORLD3)のブリッジャー級でのテストマッチが組まれている他、大物ルーキーのデビュー戦もある。
「これも試練。素晴らしい試合が目白押しなんで。残り短い時間ですが、あらゆる仕掛けをして面白いもの、見てよかったな、3150ファイトは最高だな、という試合を提供したい」
涙ながらに興毅氏は、そう訴えかけた。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)