なぜドジャースは契約前にスキャンダルを起こした水原一平通訳の身辺調査をしていなかったのか…米メディアが問題視…MLB機構は大谷翔平の調査に乗り出す
マンフレッド・コミッショナーが、かつてリーグのドメスティック・バイオレンスのポリシーに伴って、性的暴行で訴えられた元横浜DeNAのトレバー・バウアーに長期の出場停止処分を与えた例を紹介。
「バウアーのようなスター選手でも罰することを証明してきた。バウアーよりもはるかに人気があり有名な大谷に厳格な調査をすることは、リーグの決断が、より真剣なものかのテストとなるだろう」と提言した。
だが、この記事が配信された数時間後に「USAトゥデイ」の敏腕記者であるボブ・ナイチンゲール氏が「MLBが大谷の調査を開始」とXに投稿。大谷の違法スポーツ賭博への関与や、水原氏の借金を肩代わりしたのか、本当に口座からお金を盗まれたのか、などの問題について調査に乗り出したことを明かした。
ジ・アスレチックでは、大谷に科せられる可能性がある罰則についても考察され「もし大谷が水原氏の違法賭博の負債を肩代わりしたのであれば、彼は連邦法に違反したかもしれないが、ルール21に関しては、よりグレーな立ち位置となる。もし更なる連邦捜査によって、彼が違法賭博を行ったと判断されれば、リーグの前例では、彼は罰金処分を受けるだけだろう」とした。
2015年にメジャーリーグ機構は違法賭博を行ったとしてマーリンズのジャレッド・コザートに未公表額の罰金処分を行ったが、野球賭博は行っていなかったことで、これだけのペナルティーで済んだという。
そして同サイトは「ドジャースは水原氏にどのような身辺調査を行ったのか」とドジャースのコンプライアンスとマネジメントに疑問を投げかけた。
「フリーエージェントとなった大谷の獲得競争は激しかった。獲得に臨んだすべてのチームが水原氏が確実に獲得する際にセットとなることが分かっていた。ドジャースや、他のチームは大谷と契約するために彼の親友について深く注視しなかった可能性がある。彼の賭博負債を明るみに出そうとしなかった可能性もある」
激しい大谷争奪戦の中で、セットでの獲得が当然の条件となっていた水原氏の身辺調査などに目を向けなかった可能性を指摘した。
同サイトは、バウアーを解雇した問題に触れつつ「しかしドジャースは特別に気を付けるべき理由があった」として、もし身辺調査を綿密にしていれば、今回の問題を未然に防ぐ可能性があったことを伝えたが、「水原氏は、ESPNに年で30万ドル(約4500万円)から50万ドル(約7600万円)の年俸を受け取っていたと語った」という。通訳としては破格の年俸だった。
またライバル球団の関係者が「フリーエージェントのスター選手と同様に職員の身上調査も深く行うのが普通だ」と指摘したこと。さらに、その関係者が「もしかしたらドジャースは同じではないかもしれないが、必ず何らかの調査をして周囲にも尋ねているだろう。大谷と水原氏はセットでの契約と見なされており、一平のエンゼルス時代の問題(違法なスポーツ賭博による多額な借金)は知られていなかったと予想する」との見解を述べていることを付け加えた。
チームは韓国からロサンゼルスへ移動した。24日からエンゼルスとオープン戦を行い、28日のカージナルスとの本拠地開幕を迎えるが、この問題にまだまだ決着はつきそうにない。