レッドソックスが緊急声明「水原一平氏を雇用したことも岡島秀樹氏の通訳を務めたこともない」…過剰報道が続くことの余波
ドジャースの大谷翔平(29)の元専属通訳である水原一平氏(39)が違法賭博の借金を返済するために大谷の銀行口座から窃盗を働いたという疑惑でチームを解雇された問題の報道が過剰になっている。複数のメディアが2010年にレッドソックス時代の岡島秀樹氏の通訳を務めていたとの経歴を報道する中、22日(日本時間23日)にレッドソックスは「報道は誤り。雇用されたこともなく岡島の通訳を務めたこともない」との声明を発表。またNBCや米スポーツサイトの「ジ・アスレチック」らが水原氏が経歴として明かしていたカリフォルニア大リバーサイド校に在学歴がないことをスッパ抜くなど、過剰とも言える報道が続いている。
2012年に岡島氏の通訳としてヤンキースに採用されるも…
全米に衝撃を与えた“一平スキャンダル”。米メディアは水原氏の経歴を連日のように紹介し、複数の米メディアが2010年にレッドソックスに所属していた岡島氏の通訳を務めていたとも記しているが、レッドソックスが「その報道は誤りだ」との緊急声明を発表した。
「水原一平がレッドソックスで通訳として働いていたという報道が各メディアで報じられているため、皆さんにご連絡を差し上げています。これは誤りです。水原はボストン・レッドソックスに雇われたことはなく、岡島秀樹の通訳も務めていません。正確な情報を提供するために関係書類を徹底的にチェックしていることを知っておいてください」
そもそも、なぜ水原氏が2010年にレッドソックス時代の岡島氏の通訳を務めていたと報道されるようになったのか。その理由は定かではない。岡島氏は2023年のWBCで優勝した際に、文春オンラインの取材に対して「水原氏と初めて出会ったのは2021年2月のヤンキースキャンプインの数日前で、球団が専属通訳として採用した」と明かしており、よくある何かの情報がきっかけとなって、それを鵜呑みにしての“情報の独り歩き”だろう。
この件に関しては、メディアの”マッチポンプ”で水原氏に何の責任もないが、いかに今回のスキャンダルを巡っての報道が混乱して過剰になっているかを象徴している。
スポーツサイト「ジ・アスレチック」は「水原氏の公になっている経歴は不正確」との特集記事を掲載。その中でレッドソックスの声明を引用。さらにエンゼルス時代のメディアガイドの水原氏の経歴欄に「2012年のヤンキースのスプリングトレーニング中に岡島の通訳を務めた」と書かれていることに疑問を投げかけた。岡島氏は、キャンプ前日の2月17日にフィジカルテストで異常がみつかったとの理由で契約が不成立となっているからだ。
同メディアは、メディアガイドの記載がどういう過程を経て行われるかについても取材し、詳しく吟味されていない裏事情などを明かしているが、これは明らかに過剰報道。岡島氏は、文春オンラインにさらに詳しく水原氏との関係を説明しているので、それが真実だろう。