「MLBは大谷翔平と水原一平氏の問題をどこまで調査できるか」…明日大谷が取材対応も米メディアは疑問視…「金銭的な関心を持つ多くの団体が調査に圧力をかける可能性」に危惧も
同紙は「大谷以外に誰が彼の銀行口座からお金を振り込めるのだろうか?」と疑問を呈した。大谷自身が賭博に関与した可能性はゼロに近いが、もし野球賭博に関与していた場合は、1年の出場停止、また自分のチームにかかわった賭博だった場合は永久追放処分となるため、「スーパースターが自らのプレーするゲームに賭けていた可能性は、リーグの最大の恐怖であり、スポーツを骨抜きにするものだ」とし「他のスポーツへの違法な賭けは、、谷と野球界に爪痕を残すだろうが、野球賭博ほど暗い痕跡は残らない」との見解を示した。
そして「このような状況では権威(MLB)への信頼が厳しく試される。大谷の無実を信じているMLBがこの問題に異議を唱えることはないだろう」との見通しを伝え、多くの野球ファンが大谷の無実と「MLBがすべてを覆い隠すこと」を望んでいるという世論を紹介した。
今回のコラムの注目点は、同紙が「大谷のフィールドでの成功に多くの団体が、金銭的な関心を持っているため、MLBに(この問題から)目を背けるように求める圧力は計りしれないものになるだろう」と危惧したところにある。
同紙が書いた「多くの団体」とは、MLBやチームの運営に寄与しているスポンサーなどを示唆している。さらに同紙は疑いの目をMLBと関係の深いメディアにも向け、今回の問題で水原氏のインタビューを取るなどスクープを飛ばしたスポーツ放送局のESPNが、MLBに放映料などを年間に5億5000万ドル(約825億円)を支払っていることに注視。
「同局のトークショーの司会者は、この混乱における大谷の役割に疑問を呈するという自由を今後持つことができるのだろうか?」と疑問を呈した。
MLBに年平均で7億ドル近い(約1050億円)放映料などを支払っている「Fox Sports」の司会者にも同じ疑問を投げかけた。
米国のメディアがメジャーリーグ機構に忖度していることが明らかになれば、大きな非難にさらされ、メディアの存続にもかかわってくる問題。シカゴサンタイムズ紙が危惧するような問題は起こらないだろうし、名誉棄損ものの記述だが今回のスキャンダルは、それほど大きな問題だということなのだろう。
最後に同紙は「今後、どう展開するにせよ、米国におけるスポーツ賭博に関する国民投票にはならないだろう」と予測。カリフォルニア州ではスポーツ賭博は違法だが、多くの州では認められており、メジャーリーグもスポーツベッティングに協力していることを示し、「非常に有名な野球選手(大谷)が違法性についてどれだけ知っていたか」という問題点を繰り返し伝え、「いつ調査結果が出ると思いますか?」という言葉でまとめた。